”いい人”でいいのか?? ~同調圧力の餌食にならないために~
最近、コンサルティングの現場で相談されたこと・・・
『会議や打ち合わせで、ぜんぜん意見がでないんですよ。』
今までも複数回、そんな類の相談をされたことがあります
でも、個別で聞くと、皆さんそれぞれ自分なりの意見は持っている
人のほうが多かったりする
では、なぜ皆がいる場では、その意見を言わないのか?言えないのか?
私なりの見解としては・・・
他人の顔色をうかがい、他人に合わせて足並みをそろえようとする人が
とても多くなっている。
できれば他人との衝突や摩擦をなるべく回避したいという考え方の人が増えている。
そんなふうに感じています。
自分の意見を主張することよりも、他人との衝突や摩擦を避けること
のほうが優先される人が多いということなのでしょう
その気持ちは、もちろん自分も多少なりとも持っているので、
全面否定するつもりはないのですが・・・
そうすることで、”いい人”であろうとすることに、疲れを感じたり、
ストレスを感じている人が多いのも事実
だって、自分が思っていたり、考えていることよりも相手に合わしている
時間、つまり”迎合している時間”が多くなるわけですから。
挙句の果てに、それを繰り返す中で、自分のアイデンティティをも
失っていく可能性が高く、自分が大切にすべき価値観や仕事観なども
段階的に摩耗して薄まっていくことでしょう
『迎合することが習慣化されていく=思考停止状態』
とも言えるのではないでしょうか。
組織の中で、最初は自分の確固たる価値観に基づいた意見や主張を
持っていた人なのに、時の流れとともにいつにまにか、そういう迎合&同調傾向に
陥っているなと感じる方々も多いと感じます
そういう人を見て自分が思うのは・・・
『あ~あの人あきらめたんだな』ということ。
でも、外に出ると、その組織に対して、メンバーに対して愚痴を言っている人多数
そんな、いわゆる”いい人”ばかりになってしまっている組織風土を客観的
に見て、危険だなと感じることがしばしばありますね
その組織の中でなんとなく築かれたルールや規律というものに対して、
疑問を持つ人がいなくなり、「なぜそれをやらなければならないのか?」
という根本的で本質的なチェック機能が破綻してしまうからです
『”いい人”であろうとする人達が、思考停止状態を助長して、
改善や進化が進まない組織を創り出してしまう』
そういう忖度や嫌われたくない、反論されたくないという気遣いが
実際には、商品、サービスの品質や労働生産性を下げていたり、
労働時間を増やす原因になっていることは多いにあると思いますね
先輩がいると、若手はなんだか先に帰りずらい・・・
という風潮も、それに起因しているものでしょう。
人間誰しも、『承認欲求』というものがあります。
本来、誰かに認めてもらう前のステージとして、嫌われたくないという
ステージにかける思いがとても強固で偏っている人も多いのかなと感じます。
実際、100%の人に認めてもらうとか、嫌われないようにするなんて
不可能なわけで、そこは割り切ったほうがよいと自分では思っています
価値観や意見が合わない人も必ず存在しますし、相性が良くない人だって
いますからね~
嫌われないことと、認められるというステージはぜんぜん違うレベル
だと思っていますが、嫌われないことに必死で、そこで満足してしまい
認められるステージまで余力がない人も多いように感じています。
最近は『同調圧力』という言葉がよく使われているようですが、
まさに、”いい人”であろうとすればするほど、同調圧力の餌食になっていく
わけですよね
そこで思うのは・・・
『すべての人にとっての”いい人”でなくてもよくない??』
ということ。
いわゆる『嫌われる勇気』というやつでしょうか。
わざわざ嫌われる必要はないと思いますが、意見や主張や考え方が食い違って
同調できない場面も人生の中ではたくさんあってよいのではないでしょうか
ある意味、それは自分を大切にするということなんだと思います。
それを繰り返すプロセスで、価値観や仕事観や美学的なものが近しい人が
見つかるメリットのほうが大きいと思います
それを繰り返すことは、自分にとって本当に必要で認められたい人は
誰なのかを見つけ出していく大切な1つのプロセスだとも思います
そのプロセスを経て、見つかった必要な人達との関係を
自分は『同志的結合』という言葉で表現しています。
同志的結合の中で、お互いに敬意を払いながら仕事ができたり、
時間を過ごせたりすることはとても豊かで有意義なことですよね
”いい人”であろうとするばかり、嫌われないことに必死で、迎合&同調の日々。
そんな自分にストレスや疲労を感じている時間はできる限り、
減らしたほうがよいと思います。
迎合&同調に振り回される日々の末路は・・・
「あの人、何を考えているかわからないよね」
「あの人、いつも他人の意見と同じで頼りにならないよね」
そんなイメージになってしまうことでしょう。
日本の多くの組織において、”いい人”でいたい人への同調圧力問題は
起こっていると思いますが、その現状に対する自分の思いを書いてみました。
お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。