人との距離感のギャップ ~パーソナルスペースと温度差~
早いもので今年もあと1か月ちょっとですね
サラリーマン時代に比べて満員電車に乗る機会はかなり少なくなった
のですが、たまにどうしてもラッシュタイムに乗らなければならないと、
やはりそれだけでちょっと疲れます
もちろん、自由にカラダを動かせない中で、体勢を維持し続けるという
体力的な疲労もあるのですが、人とのすこぶる近い距離感からくる精神的
疲労感も重なった疲労感なのかなと思います
『人との距離感』って大事だと思っています
それは物理的な距離感もあれば感覚的な距離感の両方であり、
その距離感を上手に適正に調整できる力も社会人として重要な力ではないでしょうか
物理的距離感について、登場するキーワードは・・・
『パーソナルスペース』
人間には、目にはっきり見えるわけではないけれど、その人のまわりに
心理的なテリトリーが存在するというもの。
それ以上、距離が近くなると警戒したり緊張したり、時にはイライラや不快感に
つながったりする もちろん満員の電車の中では各人のパーソナルスペース
に幾人もの人が入り込んでいるので、なんだか精神的に疲れるということでしょう。
そして、パーソナルスペースというのは基本的には円形で描けるスペースに
なっているらしいですね。
そのカタチで男女差があるらしく、男性は縦長の楕円形傾向、女性は自分を中心に
円形傾向になっているらしいです
パーソナルスペースの広さにも個人差があり、広い人もいれば狭い人もいる
だから、自分の感覚だけで、人との距離感を考えていると、いつのまにか相手に
警戒されたり、イライラされたりする
自分としては日常生活の中で物理的距離感でけっこう感じているのは、電車も
そうですが、車を運転しているときが多いかもしれません。
自分の間合いで前の車との距離を空けているのに、そこに急に横から入られた
とき・・・イライラします
例えば、それなりに大きな駐車場を利用する際は、お店の入口の混んでいる
ところを避けて、少し歩いてもいいから、すいているところに駐車するタイプ。
こちらが、わざわざそうしているのに、なぜかまわりにいくらでも
スペースがあるにも関わらず、自分の車のとなりに駐車する人・・・イライラします
このような日常のイライラ感も自分自身のパーソナルスペースに起因
していることが以外と多いのかもしれませんね
ある意味、自分は警戒心がまあまあ強いタイプに分類されるのかもしれません。
お店で買い物をしているときも、店員さんに急に距離を詰められるのは少々
苦手としているタイプでもありますね
あと、上記とは少し別視点になるかもしれませんが、電車ネタで言うと、
音量を調整できない人に少しイライラします
ヘッドホンからの音漏れは論外として、おしゃべりするのは構わないのですが、
その話、この車両に乗っている人すべてに聞こえちゃっているよ・・・
というボリュームで話す人・・・イライラします
それらも、ある意味”距離感”の一種かもしれませんね。
感覚的距離感について、登場するキーワードは・・・
『温度差』
仕事でもプライベートでも相手との温度差を感じる瞬間や場面があると思います。
その人にとっては、すごく興味があるテーマで、ものすごい高いテンションで
話されても、相手にとってはあまり興味がないテーマのとき
その人にとっては、とても優先順位が高い要素であり、高いテンションで
話されても、相手にとっては、その要素以外のほうが優先順位が高い場合
この状況で、問題になっているのは・・・
『自分に都合の良い思い込み』
でしょうね。自分もそうだから、相手もそう思ってくれるだろう・・・
毎回、そんなことは成立しませんよね
まあ、少なくとも相手の心理的テリトリーにいきなりノックもしないで
ずけずけと入っていけば、警戒されたり、嫌われたりするのは当たり前ですよね
それをそのテンションのまま強引に進めようとすると、最近では
『パワハラ』やら『モラハラ』なんて言われてしまう可能性もあるでしょう
よかれと思って使っているエネルギーが相手との温度差に気づかないと真逆のエネルギー
に捉えられてしまうことって現実的にあると思ったほうがいいでしょう。
これは、コンサルティングの現場ではけっこうあるあるでして・・・
高い志と熱い想いで語るトップ。
しかし、そのテンションとはかなり温度差のある現場の社員たち。
残念ながらそんな構図はよくありますからね~
優秀なトップ&リーダーは、ちゃんと自分と全体や各人との距離感を上手に調整する
力を持っている方だと思います
自分の思いを高いテンションで熱く語れば、社員は必ずついてくるか?
それだけでは、難しいでしょうね。だってそもそも、トップと現場では
興味を持っているテーマや、優先順位を高くおいている要素がかなり違うので・・・
『人との距離感』において、
”パーソナルスペース”&”温度差”という2つのキーワードを抽出してみましたが、
どちらにも共通して言える重要ポイントは、
『自分本位のウェートを下げて、相手本位のウェートを上げる』
ということなんだと思います。
自分にとっての興味はひとまず置いておいて、相手が何に興味があったり、何を大切に
していたり、どんなことを優先している人なのか・・・そんなことを知ろうと
することがまず大切ではないでしょうか
そういう意味では、自分の感覚を良い意味で疑うことも大切なのかなと・・・
それは、相手の反応をちゃんと観察したり、相手の意見を真剣に聞いてみたり
する中で、自分感覚を調整していくということなんだと思います
更に、対峙する相手によって、物理的&感覚的距離感を臨機応変に調整できる
ようにトレーニングしていくことが、人間としての成熟プロセスでもあるでしょう
そんな距離感調整が上手な人は、一緒にいて居心地がいいとか、安心できるとか
落ち着くとか・・・そんな評価を得ていく人なんだと思います
その逆に、距離感調整が苦手な人は、自分がよかれと思って近づこうとすれば
するほど、人が遠ざかっていくのかなと思います。
でも、それって本人は気づいていない場合が多いのですが・・・
今日は、電車の中でふと感じた『人との距離感』について
自分なりの見解を少し整理してみました。