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コンサルティングの現場から ~リクルート競争の時代へ~

20191030

今日はかれこれ10年以上コンサルティングサポートをしている
認定こども園に訪問
してきました

基本的には月1回ご訪問して、その都度必要なテーマに対して
相談対応やアドバイスをするのが主な内容です。

今日の主なテーマは以下のような感じ・・・

・園児募集状況の確認と次年度に向けた定員設定の変更検討
・預かり保育の体制強化と他園との差別化に向けたポイントの精査
・組織マネジメントと人材育成
・採用の現況確認と今後のリクルート戦略
・HPリニューアルに向けた構成案・デザインイメージの検討
・園舎の建て替えを踏まえた中期運営戦略 など

今日はけっこう多岐にわたる内容でしたね

時期的に多くの幼稚園や認定こども園で現在願書配布中・・・
そして、11月1日に入園申込スタートとなりますので、園児募集状況の確認をする
タイミング
です

そして、それに伴って来期のクラス編成や組織編成をイメージ
するので、リクルートもその流れに伴って、本格稼働していくことになります

無償化もスタートして、その影響がどんな形で表面化するかは、もう少しすると
見えてくるかもしれませんね。
今日の園は、昨年度から幼稚園型認定こども園の運営スタイルをとっているので、
2号認定の定員枠について、来年度から定員変更するか否かなども検討・・・

想定以上に2号認定を希望する方が増えているようで・・・
すでに定員オーバーが予想されるからですね。
これはその他多くのこども園でも同じような現象が起こりつつあります。

それにともなうカタチで、当然ながら預かり保育を利用する人数も増える
ことが予想されます 
そこを見越してどのように体制強化するかも検討・・・
担当の先生の配置や、そもそも預かり保育の位置づけや他園との差別化も考えて
いく必要があるでしょう。
 
多くの園で起こっていることは、預かり保育を担当している先生のスタイルで
その内容が決まっているということ。左右されているということ。

つまり、属人的なので、担当者が変わればその雰囲気ややり方も変わる・・・

そこに明確なコンセプトや目的はあまりないところが多いですね~
だからこそ、属人的システムからの脱皮が必要だという話をしました

そして、リクルート活動についての現状を聞くと、
1名~3名程度の採用イメージをしているのですが、すでにアプローチできる
リストはなくなり、学生からのアプローチやリアクションもないという状況・・・

すべてとは言いませんが、今多くの幼稚園にて同じような状況が起こっています
ひどいところは、園児募集はうまくいったが、先生の採用が最後までできず、
最終的に、1クラス分の子ども達の入園をお断りするはめになったという事例もあります。
もちろん、その園の評判はがた落ちしたことは言うまでもありません

『今までぎりぎりなんとかなってきたリクルートが、なんともならなくなる』

そんな状況をいち早く察知した園のトップは、少し前からリクルート活動の改革
に着手していますが、私の感覚ではその割合は全体の1割にも満たない現状かなと
思います

なんとか人数合わせで無理くり採用できたはいいが・・・
そんなリクルートのレベルですから、働き出してすぐに期の途中で辞めてしまう
なんてこともよくありますね

園の専門コンサルタントとしてお伝えしていることは、

『人材育成はリクルートから始まっている』ということですね。

リクルート活動があまりうまく行っていない園の特徴の1つは・・・

『園長先生が必死になって自分だけで頑張っているパターン

これは園児募集にも同様のことが言えます。

大前提として、リクルート活動は園全体での取り組みであるというところから
意識改革をしなければおそらくうまくいかないでしょう

しかし、ほとんどの園がそうなっていないのが実情ですね。

園の事情や組織編成がそれぞれ違うので、絶対にとは言いませんが、
リクルート活動をメインで動かすのは基本的には主任(マネージャー)の仕事です。
ですから、組織内に”リクルートチーム”を立ち上げることを推奨しています
そのリーダーが主任ですよね。

リクルートチームにはサポートメンバーとして若い先生や中堅の先生などを
入れて全体のバランスを調整してもらっています。

そして、園児募集と同様に年間のリクルート活動プランを具体的に決めて 
もらい、それを責任と主体性を持って進めてもらいます。

重要なのは、『学生とのタッチポイントの量を増やし、その質を高めること』

その具体的施策やベストプラクティスなどをコンサルティング現場では
アドバイスしています。

月1回程度は、学生が園となんらかの接点をとれる企画やアプローチ方法を
検討してもらい、それをHPやその他SNSツールなどを活用して丁寧にタイムリー
に告知していくことが大切でしょう。

もちろん、ただそれを告知するだけではなく、学生の心が動くような
仕掛けも必要になります。

  今日ご訪問した園では、HPも全面リニューアルを今期中に
行います。そして、リクルート用パンフレットも新しく製作します。
共に、弊社CLPが全面プロデュース&製作を担います

実際には、このような提案をしてもなかなか実際にできる園は少ないです
なぜなら、現場サイドとしてはリクルート活動は、園長先生がやる仕事だという
認識があるから
なんです。この意識を転換していくのがけっこう大変なのです

リクルートチームの感覚が、やらされている感覚とか他人事という状態から
危機感を感じて自分事のモードにスイッチオンすると、それぞれの仕掛けが
学生にちゃんと届くようになるんですよね~

その結果として、リクルート活動全体が活性化していきます

先日、コンサルティングサポートをしている園の園長先生から
”嬉しいお知らせ”というタイトルのメールが送信されてきました。

その内容というのが、今年度のリクルートがかなりうまくいっています!!
というもので、数年前からリクルート強化を本格的にスタートしてようやく
それが成果につながったというもの。

弊社CLPとしても、HPのリニューアル、リクルート用パンフレット製作などを
お手伝いして、園としてはリクルート用にインスタグラムなども立ち上げたり
リクルートチームを結成して学生とのタッチポイントを増やすこと、そしてその
質を高めることに挑戦していただいた結果ですよね。

私としては、上記のあらゆる必要な要素がしっかり連動したからこそ、
結果につながったんだと思います。リクルートチームも危機感を持ち当事者意識で
取り組んでくれたとの報告内容でした

メールの最後に・・・

「溢れ出るくらいの嬉しい感情が抑えきれず、長々とメールをしてしまい
 失礼致しました。雑賀さんには、お伝えしたくて。」

という文章がありましたが、コンサルタントとしてとても嬉しい瞬間ですし
自分も仕事のやりがいにつながる言葉をいただいたように思います

幼稚園、認定こども園、保育園・・・

これから本格的にリクルート戦略を練り直して求める人材が集まってくる
組織づくりをしないと、人での差別化ができなくなるでしょう。

つまり、競争に勝てない園になっていくでしょう

なんとかぎりぎりでたまたま採用できた・・・
というフレーズを毎年言っているような園は、あらゆることが後手後手に
なっていくのではないでしょうか。

なるべく人材派遣会社や紹介会社に採用マージンを払わず、そのお金は
リクルート強化策のほうに次につながるような投資をしていただければと思います。

幼児教育を担う施設にとって、やはりそこに関わる人材のレベルは
子どもたちのより良き成長に大きな影響を与える因子となります。

もちろん、それはリクルートで優秀な人材を採用するところからスタート
していくことでしょう。そんな大切な取り組みを派遣会社や紹介会社に
外注するという発想が戦略的に間違っている
と思いますね。

そこに手を抜いたら絶対にダメなんですよね~

今日は、コンサルティングの現場からちょっと気になった要素を
ピックアップしてみました。日々のコンサルティング現場ではこんな感じで
その都度必要な多岐にわたる課題やテーマに応じたアドバイスをさせてもらっています。

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