栄枯盛衰の日々 ~街の風景からわかること~
最近、街を歩いていたり、車を運転していたりするときにふと感じるのは、
いろいろなものが誕生していることそして消失していること
「あそこ、いつに間にか新しい店になっている!!」
「でもその前はなんだったっけ??」
それがなかなか思い出せない・・・そんなことって多くないですか?
絶対にいつも見ていたはずの場所に何があったのか思い出せない
人は意識して観ていないと、それは景色でしかありません。
目的を持って観ること、意識して観ることで、それは知識になる。
よく研修などでお伝えしていることです。
どんなモノゴトにも、栄えるときがあり、そして衰えるときがある。
それを『栄枯盛衰』と言いますが、何げない風景の変化から、
日々そんなことを感じることができます
我が家からは徒歩2~3分のところに、セブンイレブンがあって、
日々の生活の中で、それはとても便利でありがたいことです
そのセブンイレブンはけっこう繁盛店
でも、駅まで歩いている途中にあったコンビニ2店が最近閉店したのも現実
そんな状況を見ながら、強く感じることは・・・
『駐車場のないコンビニは生き残るのが難しい』ということ
自宅の最寄にあるセブンイレブンは、駐車場が広くて15台程度の駐車スペース
があります。そして、閉店した2点は、商店街にあって駐車場なし
もちろん、すべてがそうだとは思いませんが、大きな傾向であることは明確です。
駐車場があっても、狭い、止めにくい・・・というのも、ないに等しいでしょう。
自分の実家のとなりにも駐車場が広くて車が止めやすいローソンができて繁盛
しています。そしたらその100m圏内にあって駐車場がなかったファミリーマート
があっという間に閉店してしまいました
まさに栄枯盛衰が身近で日々起こっています。
つまり、立地というファクターで大きな差がでてしまうのが商売ということ
がよくわかります。そして閉店した店舗はテナント募集のポスターが張り出され
しばらく借主が見つからない傾向も最近あるみたいですね~
たまたま、今日車を走らせていて風景を見ていたら・・・
以前ガソリンスタンドだったところが閉鎖されて何もなくなっていました
最近、ガソリンスタンドもけっこう閉鎖されていますよね
ちょっと気になってデータをひろってみたのですが、平成初期から今までの
約30年間で、全国のガソリンスタンド数がおよそ半減しているそうです。
数でいうと、約30,000店の減少・・・
石油のプライスがあがって、利幅が確保しにくい業態であることは
昔から言われていますが、それに加えて、最近法制化された
ガソリン貯蓄タンクの改修・交換義務が重荷になって閉鎖したケースも
多いようです
特に、地方よりも首都圏の閉鎖が多いようなのですが、この理由と
しては、若年層の車離れやカーシェアマーケットの拡大などではないでしょうか。
実際、我が家も渋谷区の賃貸マンションに昨年まで住んでいましたが、
家賃に加えて、駐車場代が45,000円もしたので、車は実家に置きっぱなしでした
からね~
感覚的にセルフ式は増えているように感じますが、それ以上のフルサービス店
が減少しているということなのでしょう
個人的に思うことは、やはりガソリンだけを今までのやり方で売るビジネス
スタイルでは限界があるということかなと
あたりまえですが、車の所有者がガソリンスタンドには来店しますから、
そのターゲットがガソリン以外にお金を払ってくれるサービスの拡充を
まずやっていくことが基本でしょうね
車検サービス、安全点検サービス、洗車サービス、タイヤ交換、板金塗装、
保険サービス、買取と販売、リースサービスなどなど
これらをサービス付加するには、ピットや洗車の機械、オフィスなどの
設置も必要になるのである程度の広さを確保する必要があります。
そうなると店舗面積が狭いお店はサービス拡充ができず、閉店に追いやられる
傾向が高くなるという公式が成り立ちますよね~
ですから実際にそうなっていると思います。
もっと差別化を図って業績アップ、利益効率をアップするためには・・・
複合型スタイルの導入を進めている店舗がありますよね
コンビニ併設型、カフェ併設型など、実際にドトールが入っている
ガソリンスタンドちょこちょこも見かけることがあります。
これは、『お客様の滞在時間に比例して商圏は拡大する』
というマーケティングの法則においても利にかなっているわけです
ガソリン給油だけでは、数分の滞在時間ですが、その他サービスを
受ける人達の滞在時間は確実に長くなりますし、その間に買い物したり
ちょっとカフェで休憩したり・・・
給油するだけの目的から、多目的で来店する人達を増やすことがポイント
ですし、それとともに商圏拡大につながる仕掛けをすることが
必要になるわけですよね
これらを、『マーケットサイズ付加』と言ったりもします。
1人のお客様が使う金額を上げてもらうための商品とサービスの足し算
といったらわかりやすいでしょうか
実は、コンビニも継続的にマーケットサイズ付加をすることで、
1店舗あたりの業績アップ、利益率アップを図ってきているのです
昔はお酒もなかったですし、薬もなかったですし、ATMもなかったですし、
コーヒーマシンもなかったですし・・・
それに加えて、休憩や食事をするスペースがある店舗も増えています。
そうやって、一回の来店における客単価をアップする工夫と努力を
してきています。1回の来店で1人のお客様が使う金額が2倍になれば、
単純にそれだけで売上は2倍になりますからね
そして、その工夫と努力をしながら検討すべきなのは、
『ツキのある商品とサービスを見つけていくこと』
ツキがあるというのは、その商品が全体に占める売上構成比が高いこと、
売上個数が多いこと、利益率が高いことなど
そんな指標を持って見ていくと
業績貢献度が高い商品とサービスをいくつか見つけることができます
そしたら、そのツキのある商品とサービスをもっともっと
アピールして販売強化をしていくと、更に業績は伸びていくという考え方ですね
逆にツキがまったくない商品とサービスに関してはそれを排除することも
必要だということです。こうやってビジネスの効率を上げていく工夫も
やっていかないと、いつの間にかジリ貧になっていくわけで・・・
ふと街の風景を見ながら、日々の栄枯盛衰を感じ、自分なりの思いと考えを
少し整理してみました。
やはり、毎日同じことを繰り返していては、輝き続けることは
難しいということでしょうね
ダーウィンのいうように、
『時代に合わせて必要な変化に適応してきたところが、結果的に生き残っている』
それが真実なのでしょう。