大変革期への突入 ~不安とフリーズと改革で差がついていく~
- 2018.11.16
- 園トータルサポートCONSULTING
昨日、私のメールにある幼稚園の園長先生から・・・
『近隣エリアの今年の園児募集状況については大変革が起きています。
A地区、B地区、C地区の園は軒並み2割減になりました、3割減の園も聞いています。
B地区でも名門の〇〇幼稚園は、例年は約120名が今年は80名程度・・・
原因は、保育園にとられていることと少子化かもしれません。
私も将来が不安です。何かお知恵はありますか?』
少し文章はアレンジしましたが、概ねこのような相談が届きました。
こちらの園の今年の園児募集はすこぶる順調だったのですが、近隣園の状況は
軒並みダウン傾向とのこと、正直このエリアでこんなに早くその傾向が出てくる
とは自分も予想していませんでした。もちろん、中期的にこうなることは
イメージできていたのですが、急ピッチで変革が起こっている実態が浮き彫りに
こちらの園では、年間2回の教職員研修をさせていただいていて、
園長先生とは定期的にお会いしてスポットコンサルティングという方式にて
相談対応をさせてもらっています。
※スポットコンサルティングとは、私、雑賀竜一が1時間単位でコンサルティング&
コーチング対応させていただくサービスとなります。
園内(オフィス)でも園外でも場所は自由で、
日程と時間と場所をお互いに調整しながら対応させてもらっています。
必要なときに必要な時間、気軽に活用いただいくスタイルのご提供。
最近はこのようなスポットコンサルティングのオーダーも増えてきました
1時間半から2時間程度の時間で対応することが多くなっております。
相談内容は多岐にわたり、経営に関すること以外にもいろいろです・・・
経営者だけではなく、いろいろな悩みを抱える方々の個別相談にも対応しております。
こんな時代ですから、悩んでいる方がたくさんいることを実感します。
ご興味やご希望のある方は、一度ご連絡下さい
株式会社クロスライフパートナーズ
TEL:080-4098-3326
E-mail:info@crosslifepartners.com
話はもとに戻り、まさに幼稚園にとって変革のときが到来しています
少子化はもちろんのこと、保育園ニーズの増加、認定こども園モデルの台頭
株式会社の幼児教育への参入などなど、様々な要因が重なり合っての園児募集結果・・・
以前は『内的要因8割、外的要因2割』というフレーズを使っていましたが、
ここ数年の制度変革の真っただ中で、外的要因がもう少し大きなウェートを
しめるようになっていることは確かでしょう
そこに園があるだけで、園児が来てくれる時代は、とっくの昔に終わっている
のですが、3歳~5歳に限定した母親が専業主婦の家庭向けの旧態依然とした
「幼稚園」という運営スタイルが、終わりを迎えつつあるのかもしれません
突然終わるということではなく、何年かの時の流れの中で段階的に
終息していくという意味です。それがけっこう速いスピードで・・・
もちろん、時代の流れの中で、それぞれの園の幅の違いはあれど、
各園なりの変化はしてきています。
長期休暇期間も含めた預かり保育システム、子育て支援プログラムの拡充による
0歳、1歳、2歳児への対応、学童保育による卒園児との接点づくり・・・
そして、今まさに新制度という枠組みの中で、世の中に増えているのが
『認定こども園』
現在は全国で5000園以上になりましたね~
例えば、最近のトレンド的な動きの中で、『企業主導型保育施設』なるものも
でてきています。待機児童問題や女性の社会進出サポートの目的の中で
政府が提言して、こちらもある意味ブームのようなことになっていますが・・・
ブームの裏には必ず問題が噴出するものでして
保育ノウハウもない企業がスタートした結果、保育の質もバラバラ、職員の
マネジメントもできずに退職者続出、利用者からのクレーム多数・・・
そんな裏情報が私のところによく入ってきます
補助金や助成金といった金に目がくらんで、保育の本質を理解していない
人達が甘い考えでスタートした現実が今浮き彫りになっています。
もちろん、そうでない方々もたくさんおりますが。
私のコンサルティング先でも、今年から企業主導型保育施設の運営をスタート
したところがありますが、そちらは、もともと保育園を2園運営していて
認定こども園へと進化して、更に・・・という優良法人なので、なんら問題は
起こっておりません。そればかりか、理事長がその他運営企業向けの講演会を
行政から依頼されるという状況。
つまり、どうやって運営したら、より良い施設運営ができるかということを
伝えてほしいというオーダーですが、個人的にはそれを1度聞いただけで
その法人がしっかり運営できるようになるとは到底思えませんね
やはり、基礎がしっかりしていないと応用なんてできるはずがないということ
ですよね。そして、5年後、10年後の未来なんて誰にもわからないのですから
やはり、どんな時代になっても、必要とされる園づくりとは何なのか?と考えて
追求していく日々であることが望ましい姿でしょう
大変革があっても、想定外のことが起きても、制度が大きく変わっても、
進化の方向性を明確にしておくこと、立ち返るコンセプトを明確にしておくこと
が大切ではないでしょうか
あらためて、自分が著書に書いたことが思い起こされたので書いておきたいと
思います。
【未来へのシフトチェンジ】
~社会の本質的ニーズを解決できる園を目指すことに価値がある~
①幼稚園から家族園へ
②地域の教育総合コミュニティー施設へ
子ども達が将来、素晴らしい人財に育っていくための最適な環境を創造し続けること。
それこそ幼稚園が追求する最高の価値であり役割であると考えるべきではないでしょうか。
私が考える幼稚園の未来コンセプトは「幼稚園から家族園へ」
そして「地域の教育総合コミュニティー施設へ」となります。
子どもも親も関わるすべての人が成長し、そして地域社会に貢献ができる幼稚園こそ
本質的ニーズを満たす未来型幼稚園の姿ではないでしょうか。
(著書 ”幼稚園の経営を劇的に変える方法” より抜粋)
子どもが成長するためには、健全な家庭環境が必要です。
より良い家庭環境もプロデュースしていける園になっていくこと、
そして地域の人々が集まって学び合う場所へと進化していくこと、
そのための運営モデルとして最適なモデルを構築していくこと。
それが、必要とされる園になっていくために必要なこと・・・かと思います。
そこに施設があるだけでは、もう園児は減っていくばかりの時代に・・・
そんなときだからこそ、トップの決断力が問われていますよね
そして、周りの様子を見ている暇と時間と猶予はもうありません
未来に向けた正しい判断をスピーディーに次々としていくことが大きな差を生む
決断できないトップ、決断のスピードが時流から遅れているトップ
まわりの様子をいつもうかがっているだけのトップ・・・では未来が厳しいかも
『組織はトップで99%決まる』
まさに、その差が今露骨に結果となってでてきている時代だと
あらためて、昨日のいただいた相談メールから気づかされました
将来への不安からその場でフリーズするのか、将来への不安を改革の一歩の
きっかけにしていくのか、かなり大きな分かれ道かもしれませんね~
昨日、メールをいただいた園長先生には、
将来への不安を改革の一歩につなげられるように、相談内容に対する
ある程度具体的な返信アドバイスをさせていただきました
この園長先生・・・不安からフリーズするタイプではなく、どんどん相談
してくれる方なので、近隣園が軒並み園児数を減少させる中、今年の園児募集も
すこぶるよい結果になったのだと思います。
『そこに留まることなく即座に判断して前に進むこと』
それが変化と進化なんだと思いますね~