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時代の流れや状況で変わる視点 ~本質的な価値を見抜く選択眼~

20180526

コンサルティング業務をメインとしつつも、日々いろいろな立場や
内容の仕事をさせていただいております

一昨日は、幼稚園を運営する学校法人の監事という立場でその
法人に訪問してきました。
そんな役割も担っております。

監事とは?・・・

文部科学省のホームページに記載されている内容によると、

監事は理事の業務執行を監査する機関であり、
学校法人の管理運営を適正に行うために極めて重要な役割を果たすものである。
民法第1編第2章に定める法人においては,監事の設置は任意事項とされているが、
学校法人については、学校法人がその公共性を担保し、学校経営主体として
ふさわしい法人となるよう監事を必ず2人以上置かなければならない
としている。

監事の職務としては、
(1)学校法人の財産の状況を監査すること
(2)理事(理事長を含む)の業務執行の状況を監査すること
(3)学校法人の財産の状況又は理事の業務執行の状況について監査した結果
 不整の点のあることを発見したとき、これを所轄庁又は評議員会に報告すること
(4)報告をするために必要があるとき、理事長に対して評議員会の招集を請求すること
(5)学校法人の財産の状況又は理事の業務執行の状況について、理事に意見を述べること
 が私立学校法に掲げられている。


とお固い感じで説明されていますが・・・

基本的には、収入と支出のバランスを見て、改善余地を探るといったことをメインに
未来の成長性や発展性を求めて、経営運営状況などのヒアリングを行います。


一般会計と学校法人会計は厄介なことに、いろいろ違う点があるので
昔、自分も本を購入して勉強しましたが、今は、その法人の会計士の先生に細かいところは
説明いただきながら、専門コンサルタントの知見や今までの経験則を活かして、
少々アドバイスする程度ですね

監事という立場なので、その法人のあらゆる数字をかなり細かいレベルでチェック
させていただくのですが、自分にとってはとてもありがたい学びにも
つながっています

経営に関わっている人ならおわかりだと思いますが、
決算書類に出てくる数字と、実際のお金の動きや流れというものは必ずしも
一致はしません。

もちろん、決算書は決算書としてチェックはするのですが、経営や運営や
資金繰りなどのチェックはより深くお金の流れや収支構造を見ていかないと
いけません

例えば、決算上では黒字なのに、なぜか資金がショートして倒産・・・
なんてパターンも可能性としてはあるわけで

こちらの法人は、5年前くらいは園児数が定員割れしていて経営的に
マイナス傾向で赤字ぎみだったのですが、ここ数年は、園児数も10名以上
お断りするような状況が続き、総園児数でMAX状態を維持しているので
監事としてもあまりつつくところがない状態で良好な経営状態ですね

入園料が20万円程度、保育料も4万円ということで、平均よりもけっこう
高いプライス設定であっても、お断りしなければならないくらい園児が
集まっています

園長先生との情報交換の中で、最近の近隣の保護者の考え方が変化
してきていて、本質的な教育内容をちゃんと見て、自分の子どもが
将来しっかり生きていく力をつけるためには、何が必要かを真剣に
考えるようになってきているのではないか
・・・とのご意見がありましたが
私も同感です

もちろん、各地域の保護者のいろいろなレベルにもよるのですが、
まさに今、社会である程度の地位で活躍されている保護者の方々にとって
大企業に入ることや〇〇附属といったエスカレーター方式の学校に入学
させることの価値が薄れ始めている
というお話しでした。

実際には、こちらの園のすべり止めが、近隣にあるいくつかの
「〇〇附属幼稚園」という位置づけになってきているという実情。

幼児教育の現場でコンサルタントやアドバイザーとして仕事を
させてもらっていて今強く感じていることは、
幼稚園・保育園・認定こども園などをすべて含めて、幼児教育業界の中で
いろいろな運営モデルやパターンが今たくさん登場していきているということ。

成熟期を得て、次の時代に向けてのスタンダードモデルは何になるか?
もちろん1つのモデルパターンに収束することはあり得ませんが、
そんな競争が起こっていますね

首都圏のある程度、高所得者層が集まっているエリアに限ってみれば、
月の保育料15万円~30万円といったインターナショナルスクールや
保育機能を持った幼児教育スクールなどがどんどん登場していて、
そんなプライスにも関わらず、ウェイティングがでている程、
大人気になっています

しかし、現在、そのようなモデル開発のプロジェクトのアドバイザーの仕事も
依頼されているのですが少し情報収集してみると、その教育プログラムの提供レベル
やそれを担う現場のスタッフのレベルは、各施設でけっこう差があるという実情も
わかってきました

そんな時代の中で大切なことは・・・

『本質的な価値を見抜くための選択眼』

その保育料を払う価値があるかないか?? 
こんな時代の中で、更に真剣に考える層が増えてきているとも感じます。

だから、施設を運営する側は、常に探求と進化を繰り替えてしていかなければ
選ばれなくなっていくのでしょう

・子どもの生きる力につながる本質的に価値がある教育プログラムや体制づくり
・上記のクオリティーを維持してくための人材やスタッフの育成
・本質的な価値があることを伝えるためのジョイント施策の常なる進化
 EX)入園説明会、見学者対応、HP、その他情報発信機能 など

上記についての常なる探求と進化を進めていくための戦略・戦術があるところ
と、なんとなく日々同じことを繰り返しているところがあるとすれば、
生き残るのは当然前者になるでしょう

幼児教育の無償化が実現される近い未来に向けて、それは今よりもより
深刻な差となっていくことでしょう。

それは結局のところ、その組織やチームを率いる

『トップ&幹部リーダーの差』ということになります。

トップ&幹部リーダーが、近い未来を見据えて、どれだけ考えて考えて
上記の探求と進化を繰り返していけるか・・・

一昨日、その園長先生は、お昼を食べる時間もとらず、近隣で開催される
学習塾のオープン授業を見に行ってくると出かけていきました。
「何かのヒントがあるかもしれないので・・・」と言い残して。

『トップ&リーダーが自ら常なる学びと進化をする、
そしてその姿をまわりに見せていくこと』

とても大切な姿勢と成功している園のポイントを現場で見せられたように思います

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