第5回 SPECIAL ONE CLUB ジュニアスクール 特別ゲスト講演会
- 2017.12.07
- 講演&研修SPECIAL ONE CLUB
昨日は、CLPが企画運営している、
幼稚園のトップ・後継者・幹部養成スクールである
『SPECIAL ONE CLUB ジュニアスクール』の
今回のゲスト講師は、元ANAの客室乗務員であり
ファーストクラスの教官をされていた島影さん
5000人もいる客室乗務員の中で、人材育成やマネジメントを
担ってこられた経験からいろいろな事例も踏まえてわかりやすく
お話しいただきました
いつものように簡単なダイジェスト版としてその講義内容を
整理しておきたいと思います。
1.女性チーム・組織におけるリーダーシップと人材育成
・一般的なマネジメント研修は男性視点のものがとても多く、
それだけでは、女性が多い職場ではうまく活用できない場合がある
★女性性と男性性の違い
・本来は、どららの性も持ち合わせている人が一般的であり、
完全な男性性、女性性を持っている人の割合は世の中の8%
(自分がなりたい理想のイメージの形容詞 上位ランキング)
男性・・・大胆な、有能な、競争に勝てる、支配力のある、断固として
賞賛される、実際的な
女性・・・温かい、愛される、思いやりのある、魅力的な、友好的な、寛大な
惜しみのない
「人生でどのようなことを重要視するか?」の質問への回答
男性・・・名声・権力・所有すること
女性・・・誰かの役に立つこと・興味深い人に出会うこと
※男性と女性では、求めていることが全く異なることを理解すること
★女性の中でマネジメントを効果的に進める秘訣はシンプル
以下の3つを頭に入れながら、相手との関係を構築していくこと
~相手を知ることが大切~
【例①】
男性誌は、詳しい説明が多い ⇒ 男性は情報を交換したい
(スペック、処理能力、メリット、歴史ストーリー、希少性、限定性、所有欲)
女性誌は、形容詞・擬音が多い ⇒ 女性は感情を交換したい
(キレイ、おしゃれ、キュート、キラキラ、わくわく・・・)
キーワード=『感情に訴えかける』
「そういうふうにするとお客様はどどう感じますか?」と問いかけて
「じゃあどうしたらよかったかな?」と促していく
「なぜできないの?」と言われてしまうと、女性の心理は
心地よくないし、指導効率も下がってしまう
できていないことを責めないこともポイントである
①感情が伴った記憶は深く刻み込まれる
②女性は理屈だけでは育たない
【例②】縦と横のつながり
男性・・・縦のつながり ⇒ 男性は、序列を大切にする
女性・・・横のつながり ⇒ 女性は、調和を大切にする
女性は、組織やチームの中で不協和音を立てないことを大切にする
意見を言う時はみんなで言ったり、みんなで行動したいのが女性の特徴
キーワード=『一緒に、みんなで、協力し合って、助け合って・・・』
”友好的”であることを女性は心地よく感じる
上記のようなキーワードを会話や指示を出すときに散りばめることが大切。
そうすることで、相手のリアクションが変化する可能性がアップする
【例③】賛辞と感謝
男性は、褒められたい(結果重視)
(すごいね、君しかいない、君の力が必要なんだ、こんな人に初めて会った・・・)
女性は、ねぎらわれたい(プロセス重視)
(いつもありがとう、あなたのおかげで助かっている・・・)
女性は、男性ほど「すごい」という言葉にプラスの反応をしめさない
何をどのようにしてくれたからありがとうとか、わかってくれていることに
プラスの感情が働く
キーワード=『情報交換と情報共有』
(事例)ANAではフライト後には、必ず反省会(事例共有化)が開催されていた
この仕組みが、ANAのブランドや評価につながっているとも言える
パーサーが事例発表
〇〇が起こって、そのときにお客様が〇〇のように反応して
だから、〇〇という対応をしたら、その結果としてお客様の〇〇につながった
自分達が感じたことを、行動に移したら次の改善につながった
という事例を共有することがポイントになっている
⇒各人の対処能力の向上とトラブルやクレームを未然に防ぐ効力あり
男性は、問題解決をしてほしい
女性は、共感してほしい(感情移入してほしい)
女性のマネジメントやリーダーシップで大切なことは、
女性の心に響くフレーズを使いこなすことである。
人の感情に敏感でないと組織のマネジメントはできない
2.顧客心理と対応術
歓迎されたい心理、大切にされたい心理、自分がかわいい心理
この3つの心理は、それが満たされないとすぐにクレームになる心理でもある
①歓迎されたい心理
・第一印象が最も大切であり、それがすべてである!!
⇒この瞬間がその後の人間関係を決めるといっても過言ではない
・人間は出会いの数秒の間に、様々な情報や感情を処理している
・クレームはいくつかのマイナス要素が重なったときに発生する
(第一印象のポイント)=『笑顔(スマイル)』
・笑顔は、歓迎の気持ちをカタチで表すもの(うれしい気持ち、感謝の気持ち)
⇒笑顔は万国共通
・気持ちのは入っていない、相手の目を見ないでする笑顔は、逆に感じ悪い
⇒客室乗務員は必ず、笑顔のときにはお客様の目を見ている
②大切にされたい心理
・視線の大切さ・・・目を合わせないのは相手を拒否しているジェスチャー
⇒相手は自分が大切にされていないとそれだけで感じてしまう
・お客様は不安を聞いて欲しい、情報がほしい
・マイナスな状況のときほど、視線を逸らしたり、その相手から遠ざかるのはなく
その人の前に出て、視線を合わせることが重要
・まわりにいつ人達の表情や態度をよく観察することも必要である
③自分がかわいい心理
・飛行機の中で後ろの席になるほどお肉とお魚のセレクトでお肉が品切れに
なってしまう傾向が強く、それに対して強く抗議をするお客様もいる
⇒そういう人にこそ、あえて丁寧に説明をすることが重要である
・ANAの客室乗務員は、特定のお客様とばかり話すことも避けている
・お客様は人ぞれぞれ性格や重視していることが異なるので、そこを
観察しながら、つかみ取って対応することが重要である
④特別扱いされたい心理
(特別感を感じるフレーズや対応)
①個人名と”いつも”というフレーズの活用
⇒「〇〇様、いつもありがとうございます。」
②その人にしっかり視線を合わせる
③褒める(着ているものや持ち物など)
⇒共通点やセンスの良いものなどを話題にする
⑤不安な心理
(相手の不安を察知するしぐさ)
・きょろきょろ、そわそわしている
・何かぶつぶつと話している
・頻繁に立ち歩く
・顔色の変化(冷や汗など)
不安な人には、こちらから安心感を与えることが重要
①笑顔
②穏やかな表情(温顔)
③声掛け EX)「何かお探しですか?」「何かお手伝いいたしましょうか?」
⑥配慮を必要とする人の心理
・目立ちたくない(障害のある方など)
⇒自分勝手に動くのではなく、どのようなお手伝いを望んでいるのかを
相手に確認してから対応することが大切
(クレームを言う人の心理)
◇最初から感じが悪いと思っている
◇いくつかのマイナス点が重なった
・そこに至るまでのプロセスで処理できればクレームにはならない
・日本人は、クレームを言わずに去って、二度とそこを使わない傾向が強い
⇒94%の人は思っていても何も言わない人(日本人は言わない国民)
⇒故に、相手が何も言わないからといって満足しているとは限らない
・日本人はメンツを気にする傾向が強く、相手に気を遣う人も多い
(クレーム対応について)
・初動が最も大切である
⇒最初に対応した人の印象でも、そのあとの流れが変わっていく
・若くても、ベテランでも誰でもできることは、相手の話をきちんと聞くこと
⇒自分はわからないからといって、誰かをぐに呼びに行く行為はマイナス印象
(逃げようとしている、逆切れしているような態度に見えてしまう)
・組織やチームの人がすべて同じような対応をできることが大切
⇒組織の人によるムラを感じさせない
ポイント=『基本対応のレベルアップと均質化』
3.一流の人が大切にしていること
【6 Human Needs】 自分と相手の違いを理解すること(前提条件)
①安定
・定番のものが好き、確実性を求める、ルーティンワークが好き
安心したい、コントロールしたい
⇒男性よりも女性のほうに多いニーズ
②不安定
・スリルを求める、好奇心旺盛、海外旅行、外食、新しい仕事、起業
⇒女性よりも男性のほうに多いニーズ
③重要感
・特別な存在でありたい、目立つことが好き、希少性を好む、
独自性、個性的なファッション、学歴、地位、名誉、プライド
・島影さんの経験則では、ファーストクラスの乗るお客様よりも
ビジネスクラスの乗るお客様のほうが強く持っているニーズ
⇒ファーストクラスのお客様はそのステージをすでに超えている
④つながり
・人間関係、チームワーク、情報交友、サークル活動、流行もの
自然、芸術、ペット
⑤成長
・新しい知識、トレーニング、自己成功、自己投資、新しい場所
⑥貢献
・人助け、ボランティア、アドバイス、情報提供、プレゼント、サプライズ
⇒人間性が高くないとできないこと
⇒うまくいくひとたちは貢献にフォーカスしている傾向が強い
(相手のニーズを察知する指標)
・服装
・使っている言葉
・行動(EX 休日の過ごし方)
・職業(EX 公務員=安定ニーズ)
・判断とセレクトの傾向差
・表情 など
★成功者が絶対に妥協しないことのひとつが・・・『自己プロデュース』
イメージは誰もが最速で身に付けることができ、直接的にその効果を行使できる
・成功者は第一印象の大切さを知っている(30秒で人の印象は決まる)
・成功者は、自分のイメージづくり(印象形成)に対する意識がものすごく高い
⇒非言語コミュニケーションの重要性
・『外見は内面の一番外側』 内面を一番表すのが外見である。
という内容の4時間の講義をしていただきました。
参加メンバーからは、今まで疑問に思ったり、なぜそうなってしまうのか
と思っていたことがクリアになってスッキリしたというような声も
聞かれました
私も最後に少しだけメッセージをお伝えしましたが、そこでお伝えした
ことは・・・
『言葉のセレクトの重要性』
ちょっとした言葉のニュアンスやセレクトの仕方で、女性心理は
良くも悪くも変化してしまうということをまず理解することが
今回の一番の学びだと思ったからです
トップ&リーダーとして、女性中心の組織やチームのマネジメントを
担う人たちは、女性の特性を理解した上で、言葉のセレクトに細心の注意を払って、
接していくことでリアクションがぜんぜん変わってくることを意識しないと・・・
今日から学んだことを会員の方々が各現場で意識して実行してくれている
ことを期待しています。その成果や変化をまた共有していけたらと思いますね
今回、島影さんのおかげで私(男性)ではなかなかうまく伝えきれない
女性中心の職場ならではのマネジメントのポイントをお伝えすることができました
本当にありがたいです。
自分自身も今回の学びを各方面でうまく活用していけたらと思っています。
やはり人間探求は奥深くておもしろくて果てしないですね~
島影さんお忙しい中、ありがとうございました。
次回のSOCジュニアスクールは、2年間の集大成。
本当のラスト会ということで『宿泊研修会』を行う予定です
会員の皆さんと共に学び合い刺激し合える有意義な時間に
なるように準備を進めたいと思います。