くれない族と基準の差!? ~困難な体験の量と質~
前回、前々回と人が持っている基準の差についてお伝えしてきました。
ということで、今回が ”基準”シリーズ最終章??
世間には、『くれない族』という人達がいるのをご存じでしょうか・・・
いつも「・・・してくれない」という言葉が口癖になっている人達のことですね
例えば、
認めてくれない
わかってくれない
教えてくれないなどなど
「・・・してくれない」という言葉はあげればきりがないですよね
そんなときに、その場で発生していることは、
『相手との見解の相違』
まあ、言い換えてしまえば、『相手との基準の差』が発生しているということ
だと思いますね~
本人が認めてもらいたいと思うのは勝手ですが、認める側の基準に
本人のやっていることや実力が達していなければ、それは実現しないこと・・・
そんなときに、言葉としては同じでもその基準が人によって
大きく異なるものとしては以下のようなフレーズがでてくるでしょう
「私は頑張っているのに・・・してくれない」
「私は一生懸命やっているのに・・・してくれない」
この”頑張る” ”一生懸命”という言葉に関しても、大きな見解の相違が
人と人の間で発生していると感じています
そんな事例は以前このブログで書いたことがあるので、興味と時間がある
方は以下をクリックしてご覧ください。
人それぞれが持っている『忍耐力』(レジリエンス)は異なりますよね。
その差をベースに、苦しいとか忙しいとか大変だとか思ったり感じたりする基準が
人によって大きく異なるわけです
最近では”レジリエンス”という言葉で解説されることが多いかもしれませんが、
人が成長&成功するためにはとても大切な要素だと脳科学の分野で
お世話になっている西先生が言っていました
そんなレジリエンスについて、自分なりに思っていることを書いた記事も
あるので、興味と時間がある方は以下をクリックしてご覧ください。
⇒「「レジリエンス」 逆境を乗り越えられる人になるために!!」
この記事において、【逆境を乗り越える資質】を以下の4つに整理していますが、
①感情のコントロール力
②自尊感情
③自己効力感
④楽観性
西先生のご協力のもと、幼稚園の先生たちにやってもらっている
”レジリエンステスト”のチェック項目は、それに加えて
★共感性
★問題解決力(原因分析力)
★積極性
などの資質項目が入ってきます。
まあ、上記の資質のバランスが良くて、総合点が高い人が、忍耐力、
つまり、困難や逆境を乗り越える力が高いと評価されるということですね
私の経験則や学んできたことからすると、これらの資質の有無、高低には
その人が育った環境が大きく起因していると考えています。
育った環境の中で誰から何を伝えらえてきたか、そしてどんな体験と経験を
積み上げてきたか・・・そんな時間の蓄積の中で、忍耐力を構成している資質が
高まっていくと思っています
少なくとも1日で忍耐力がアップするなんてことはあり得ないわけです。
自分の事例で言えば、20代に体験と体感をした環境が自分の今に
ものすごく大きな影響と、ある程度の忍耐力をもたらしていることは確かですね
当時は、「船井総研」の1人の社員だったわけですが、
それはそれは厳しい環境だったと思います
まだコンサルタントという肩書はなく、それを目指してアシスタントや調査員として
仕事をしていた時代・・・
それは、自分の人生の中でMAX&ピークで忙しくて大変で苦しい時代でもありました
一番のピークの時は、ある程度のボリュームのあるプロジェクトに一度に8本くらい
関わっていたのですが、一番の下っ端ですから提案のベースとなる基礎調査や
資料集め、資料作成、そしてあらゆる雑務がのしかかってきます。
その結果として、「寝られたら寝る」という日々・・・
現実的には、3日間一睡もできないときもあったり、1日1時間程度の仮眠で
1週間会社に泊まり込んだり・・・
そんな、圧縮された時間を過ごしていたので、その感覚は当然カラダに
刷り込まれているわけです
もちろん、そんな環境に翻弄されてフェードアウトしていく人もたくさんいましたけど
自分は人生の修行という感覚、未来の自分のためにという感覚で過ごしていましたので、
大変でしたが辞めるという選択肢はまったくありませんでした
そんな環境が当たり前の日々でしたから、もちろんその基準に自分の
頭の中やカラダが必然と慣れていくことも事実ですね。
だから、今でもたまに忙しくなったり、大変になったりするときもあるのですが、
そんなときに心の中には・・・
「まああのときに比べたらまったく大したことではないな」
というフレーズが登場してきます
とここで何が言いたいかと申しますと、
『人の基準は、どんな困難を乗り越えたかという
体験や経験で大きく異なる』
ということですね。
だから、今思うことは大変だったけど、乗り越えておいてよかった~ということ
そして、仕事やプライベートで、AさんやBさんが
「苦しいです」 「大変です」 「つらいです」なんてことを発信している場面に
遭遇することがあるのですが、自分の心の中では、
「そんなことで苦しいなんて甘いな~」なんて思うことが多いのも事実です
だからといって、その人を否定するわけではありません。
思うのは、 「自分とその人の基準がだいぶ違うんだな」ということ。
そして、自分とは、体験、体感してきた困難のレベルも違うんだなということ。
その人に与えられた環境の中での体験の量と質が、その人の基準とともに、
その人の器(キャパシティー)を作る重要な要素になっていると思うのです。
高いレベルの困難を乗り越えてきた人とそうでない人の差は、
通常時ではあまり現れないかもしれませんが、何かの壁や困難やつらい状況に
直面したときにわかりやすく差となって表れますよね~
甘い汁を吸って生きてきた人の特徴は・・・
そんなときに、以下のようなわかりやすいカタチとなって表れますかね。
★人やモノにあたる(イライラを相手に押し付ける)
★ネガティブな言動が増える(できない理由を発信しだす)
⇒「・・・してくれない」 「・・・できない」 など
★現実逃避と思考の混乱が激しくなる
⇒その結果として、いざというときに”信頼できない ”役に立たない”という評価へ・・・
★他人依存レベルの上昇
⇒「こんなに困っているんだから、誰か手伝ってくれ!!」という心の声&表情
まあこんな感じでしょうか。
これを完全な「キャパオーバー」と言ったりしますよね。
こんな状態のとき、その人は不安定ですから、ほとんどのケースで、自分の今の状況を
好転させることはできないんですよね~
皆さんはそんな状態になってしまっている時や場面はないでしょうか?
自己チェックすることも大切ですよね~
その一方で、高いレベルの困難を乗り越えてきた人は、
上記とはまったく逆のパターンになるでしょう。
★いちいちイライラしない(常に落ち着いていて心が乱れない)
★ポジティブシンキング&ポジティブフレーズ
★現実と向き合って、問題解決への道筋を冷静に考える
★自己責任の思考が上昇する(他人やまわりにすぐに頼らない)
つまり、どんなときでも安定度が高いという特徴があるでしょう。
いろいろな体験と経験と体感を積み重ねる中で、自分のキャパを
どれだけ広げていけるかは大切ですよね~
自分が少々成長して、コンサルタントをいう肩書をいただき、
部下を持つようになったとき、彼らに言っていたことは・・・
「早く成長して、自分のことは半分の力でできるようになって、その余力をまわりの
人のために使えるようになりなさい!!」ということ。
それが人の器やレベルだと思っていたからです
だから、普通の人が10年かけてやることを3年でやりなさい・・・と
だとしたら、寝ている時間もないし、友達と遊んでいる時間やデートしている時間
もないし、やはり・・・
『何かを得るためには、何かを捨てることも必要』
ということですよね。実際に当時の上司からは、冗談半分、本気半分で
3年間は”彼女禁止令”が発令され、入社してすぐの5月には当時の彼女と
別れましたからね
実際、その禁止令が原因ではないですが、リアルに会う時間がまったくとれなく
なったのでしょうがなく・・・
”基準”という言葉に焦点を当てていろいろと自分の見解をお伝えしてきましたが、
「人それぞれの基準の違いを受け入れるためにも、
自分の基準の幅を大きく広げるための時間の使い方をすることは大切」
そのための一流体験、異から学ぶ、対極を知ること・・・
そんなふうに思っています。
皆さんも常に自分の基準を見つめ直し、幅を広げていくことを
意識されることで、より豊かな時間を増やすことができるのではいでしょうか。
それでは、基準シリーズはこれでひとまず終了です
こうやって1つの言葉から、自分の思考を整理しつつ繋ぎ合わせていく
ことも、学習効果を高めるポイントなんですよね~
実はこれが”深さ”につながるということなんでしょうね
明日から1泊2日の兵庫出張に行ってきます。