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“思いをカタチにする” 素敵な人達 ~全日空CA編~

20150725

昨日、福岡空港で東京に帰る便のフライト待ちをしていたときに、
スタッフに手を引かれながら、搭乗していく2名の子ども達、
そして、その2人に手を振りながら見送る2人のお母さんの姿・・・

夏休みならではのシーンだな~と思いながらそのシーンをふと見ていました。

そして、自分も搭乗して36Dの席に着席してまわりを見渡していると、
35Cの席、つまり自分の左前方に先ほどお母さんに見送られながらこの飛行機
に乗り込んだ女の子が座っているのを発見

おそらく小学1年生くらいかと思いますが、まわりにいる大人たちに
囲まれながら、一人ポツンと座席に座っている姿はなんだか不安な様子。
個人的に、そういうことの感度は高いほうなので、どうしてもその子が気になってしまい、

「少し心細いだろうな~」と思いながら私が見ていると・・・

若いCAの方が、その子のところに歩み寄ってきて、ひざをついて、視線を合わせながら
笑顔で、いろいろと会話をし始めました。

そして、その子の手をとって、一緒にトイレへ・・・

おそらく、途中でトイレに行きたくなってもなかなか言い出せないかもしれないので
事前に配慮してあげたのでしょう。
帰ってきたその子の様子を見ていると、少し安心した様子がうかがえます。

そして、しばらくするとおそらくフロアの責任者であろうベテランのCAさんが
笑顔でその子に寄り添いながら、会話をしはじめました。

そして、最後に一言・・・『また来ますね』と言って去って行きました。

飛行機のエンジンが始動して、機体が動こうとする間際でしょうか、
先ほどの若いCAさんが再びやってきて、その子にカードのようなものを渡しながら
会話を始めました。

気になったので、少し見ていると、そのカードにはピカチューの絵が書いてあり・・・

「一緒におりようね」 

「迎えにくるまでまっていてね」

と書いてあるではありませんか
これから飛行機が飛び立つこと、そして到着した際のことを、事前に説明することで
不安な気分を和らげてあげること、そしてピカチューカードで更に安心させる配慮ですね。
CAさんが去ったあと、その子はしばらくそのカードを大切に握りしめていました
そのシーンが私にはすごく愛おしく見えてしょうがありませんでした。

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飛行機が安定飛行になり、しばらくすると、今度はベテランのCAさんが、
いくつかのグッズを持って訪れました。
その中からその子は折り紙をセレクトすると、何回か頷きながら会話をしばらくしています。
そして、先ほどのカードの裏にはシールがついていて、CAさんがそのシールを剥がして
カードをシート前方に貼りつけました。

こうすれば、そのまわりにいる人達にもこの子の状況が共有されますね

そして最後に一言・・・『また来ますね』

その後、ベテランのCAの方は何回かその子を気にかけて話しかけにきたのですが
帰る際に必ず・・・『また来ますね」と伝えて去って行きました。

この”ちょっとした一言”が、とてもとても大切だと思って聞いていました。
その子にとって、この一言がどれだけ安心につながるか

そのベテランのCAさんは、その子の元を離れる時にそれ以外にも
プラスαの行動をしています。
それは、隣席にいる大人たちに目配せをしながら、
”この子は一人旅をしている子なので、なにかあったらよろしくお願いしますね”
という気持ちを自分の表情で伝えていたのです。
私にはその思いが言葉にしなくても確実に伝わりましたよ

その女の子は、しっかりしている子で、数字あそびのドリルを持参して
フライト中は、静かにしながらそれに夢中になって取り組んでいましたね。

福岡から羽田までの90分のフライト時間の間、私は少し仮眠をしたり起きたりしながら
その様子を観察していたのですが、上記の2名のCAの方を中心に、6名のCAの方
その子と会話&フォローで接点を持った回数は13回でしたね。

約7分に1回のペース、絶妙なタイミングでその子にフォローをしている
ナチュラルで素敵なチームワークを見せてもらいました。

そして、昨日は雷の影響で羽田空港に到着してから、機内で20分間待機させら
れたのですが、あまり状況がつかめないその子を気づかって、近くにいた若いCAさんが
『大丈夫??』と声かけをしにきました。・・・ということで、合計14回

メインとなる若いCAさん6回、ベテランのCAさん4回、
その他4名のCAさんが1回ずつの合計14回

まあ、そんなことを正確に数えている人は機内に自分一人しか絶対にいないでしょうし、
ちょっと職業病にもほどがあるかもしれませんが・・・少々変態ぎみ??
でも、アンテナを高く張っていればそういうシーンにたくさん遭遇できることは事実です

それはさておき・・・

すべてのCAの方々が確実に実行していたことは、

①常にスマイルで対応 

②必ずその子と会話をする(そのときは必ずその子と視線の高さを合わせる)

③会話をしながら不安や異常がないか確認している

④絶妙なタイミングで、それぞれがフォローし合っている

気になって少々調べてみると、『ANAキッズらくのりサービス』というものがあって
6~7歳(ご希望により11歳まで)のお子様一人旅を出発空港から到着空港まで
お手伝いするというサービスらしいですね。

その女の子もこのサービスを活用したのでしょうが、6歳か7歳で一人で飛行機に
乗るという体験は、色々な意味で心へ負担がかかると思います。

そんな不安と緊張と心細さでいっぱいの小さなハートだからこそ、
その時に体感した、このCAの方々の思いやりと心配りの行動と言動は
その子の心の奥にしっかりと刻まれたことでしょう。

もしかしたら、いつかその子は、将来の職業選択に思いを馳せるとき
ふと小学1年生の夏に飛行機に乗りながら体験したことを思い出して、
CAを目指そうとするかもしれない・・・

もちろん、そうはならないかもしれませんが、もしかしたらそんな
 ”未来のきっかけ”につながるような素敵な仕事
間近で観察できる機会に遭遇しました。

大人の役割や仕事って、そういうことなんだろうな~ともあらためて考える
機会を与えられたようにも思います。

★我々は子ども達の未来のきっかけにつながるような
 生き方や仕事をできているのか?

★子ども達に誇れるような仕事をしていると自信を持って言えるのか?

今回のCAの方々のように、

そんなに気張らずに淡々と当たり前のように
素敵な仕事を日々している大人がたくさん存在することこそ、
子どもにとっての最適環境ではないでしょうか。

そんな素敵な大人たちに囲まれている子ども達こそ
素敵な大人になって、大切なことを引き継いでいけるんだと思います。

そんな”素敵な未来づくりのジョインターになれる人”こそ、
本当に価値ある存在でしょうし、それが正しい大人の姿だと思います。

今回のように、口先だけではなく、行動や言動で、大切にすべき思いをカタチに
している素敵な人達に出会うと、とてもうれしい気分になりますね。

その逆の行動や言動などが取り上げられるニュースなどを見ると
悲しい気分になりますし、これからの未来が不安にもなります

そうやって世の中はバランスがとられているのかはわかりませんが、
少なくとも、人はプラスの方向にバランスをとれる人間に成長していくことが大切なんだと
思います。

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