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大事件は小さなほころびが積み重なって引き起こされる ~ハインリッヒの法則~

10月も最終週となりました。ハロウィンの雰囲気も例年よりはなんとなく弱めな気がしているのでは自分だけでしょうか・・・

先日、コンサルティング先の認定こども園で、園長先生と打ち合わせをしていたところ、主任の先生が少し慌てた様子で、

『園バスが故障して、道路の真ん中で止まってしまったようです・・・』

幸い、帰りの送迎で子ども達をすべて降ろした後だったのですが、それはそれで緊急事態なので、さすがに、打ち合わせは中断して、とりあえず警察やら、保険会社やらディーラーに手分けして連絡対応。

とりあえず、自走して園まではなんとかたどり着いたのですが、その後はレッカーサービスを利用してディーラーへ園バスが運ばれて行きました。

そこからやらなくてはいけない確認事項は、

故障の状況によって園バスがいつまで修理にかかるのか?

その間、レンタルできる同等レベルのバスが確保できるのか?

そして、そのレンタルできるタイミングはいつからなのか? などなど

確認したところ、翌日の午後1時には園にレンタルバスが到着するとのこと。だとすれば翌日の朝の送迎はできないので、即座にその旨をバスを利用している保護者の連絡しなくてはなりません

そんなやりとりが1時間程度かかって、ようやく落ち着いたのですが、ディーラーからの報告ではラジエーターの故障ということでした。リース契約で、2か月に1回はメンテナンスをしているそうですが、だとしたらメンテナンスがちゃんとできていなかったのではないか?と思いますよね。

後から、先生達に聞いてみると・・・

『そういえば、数日前からゴムの焦げたようなにおいがして、気になっていました』

と複数人からの声。

まさに、そこで自分の頭によぎったのが『ハインリッヒの法則』

ハインリッヒの法則(ハインリッヒのほうそく、Heinrich’s law)は、労働災害における経験則の一つである。1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常(ヒヤリ・ハット)が存在するというもの。(Wikipedia)

1:29:300の法則とも呼ばれていますが、つまり・・・

『大事件は小さなほころびが積み重なって引き起こされる。』

ということ

”ほころび”

個人的にはコンサルティング現場でよく使う言葉なのですが、

『特に重要なのは”小さなほころび”の段階で察知できるか否か!!』

大きなほころび、つまり大きなクレームや大きなミスや事故になればだれでもわかるわけですが、大きなほころびは、そこに至るまでのプロセスの中に必ず小さなほころびがいくつか発生しているのです。その段階で誰も気づけずそのまま放置状態にしていた結果として、クレームやミスや事故が起きる。今回の大きな園バス故障のように。

大ごとになってから対応するのは大変ですし、そこに関わる人達に精神的、肉体的、時間的にもそれ相応の負荷や負担がかかります。であるならば、そうなる前に対応しておいたほうが賢くて効果的、効率的であるということ。大きなほころびの後始末は大変なんですよね~

今回もいろいろなところに電話をして、バスのレンタル費用も捻出して・・・

ほころびについても察知する指標はいくつもあって、データから見つけられることもあれば、現場のシーンや雰囲気など、あらゆるモノゴトからつかみ取る必要があります。そして、小さなダメージの段階でもしくはダメージになる手前の段階で打ち手を打てるか否かが重要。

今回であれば、ゴムの焦げたようなのにおいがした時点で誰かがしかるべき打ち手を打てていれば、道路の真ん中で立ち往生することはなかったことでしょう。

そうやって、『小さなほころび』をいち早く的確にタイムリーに察知することが大切。もちろん察知するだけではなく、ほころびが更に悪化しないようにそこに歯止めをかけて、今後同じことが起こらないようにするための根本的な改善策を実行していくことも大切ですよね。

一般的にこれらの能力はもちろんキャリアや経験値が高まることで、高まっていく傾向はありますが、必ず全員がそうなるということでもありません。自分の経験則で言えば、

『トップ&リーダーがほころびに無頓着でアンテナのレベルが低い組織とチームのメンバーは同じようにアンテナのレベルが低くなり、結果として大きなほころびに対する後始末の時間に振り回されている傾向が・・・』

もちろん、後始末のネガティブタイムが多くなればなるほど、現場社員のモチベーションも上がらず、前向きで成長につながるアクションの時間よりも、元になんとか戻すためのアクションの時間が多くなる。成長する時間をとれず、元に戻す時間で精一杯であれば組織が前進するパワーがそがれているということにもなります。このパワーがそがれている時間がもったいないわけです。

小さなほころびは、ほうっておくと大きなほころびにつながっていき、その時点では誰もが気づくレベルになっています。その時点で、ようやく『このままではまずい!!』と気づきそこからどうにかしようとしても、解決していくエネルギーと時間をかなり浪費しなければならなくなる。もしくは手遅れの場合も・・・

病気で言えば、がんの早期発見が大切なことと一緒ですよね~。末期がんになってからようやく気付いても・・・

だから・・・

優秀な人ほど、自分のまわりで日々起こっている小さなほころびに気づき、即座に手を打ち、大きくなるまえに前始末しています。

ぜひ、日々の中で常に発生しているほころびに意識を向けていただき、常に的確な打ち手を打ちづづけることで組織やチームのベストパフォーマンスにつなげていただきたいと思います。

今日は、コンサルティング現場で発生した園バスの故障事件から、感じたことをメッセージにしてみました。

お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。

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