業績アップに向けた3つのマーケティング視点 ~更なる飛躍の方向性を見出すポイント~
- 2024.08.24
- MESSAGE園トータルサポートCONSULTING
商圏拡大 コンサルティング 業績アップ ライフタイムバリュー マーケットサイズ付加
昨夜は、会食をしながら2時間限定のスポットコンサルティングの仕事。
弊社CLPが提供しているコンサルティングスタイルにもいくつかのパターンがあります。基本的には顧問契約をしていただき、月次訪問(月1回のご訪問)でコンサルティングサポートをしているパターンが多いのですが、昨日は、会食をしながらのスポットコンサルティングのスタイルを継続的にご希望いただいている幼稚園の園長先生との語らいの2時間。
園にご訪問して相談対応するよりも園外のほうが気軽にいろいろと情報交換や意見交換がしやすいということでのご希望。美味しいビールを飲みながら、いろいろなテーマについて語り合う時間は、私にとっても有意義な時間になります。もちろん、必要で有益な情報提供や判断に迷っているテーマの方向性について私なりの見解をお伝えしたりアドバイスもさせてもらう時間でもあります。
ちなみにこんなスタイルでのコンサルサポートがあるならば、希望したいという方がいましたら弊社までお問い合わせください。
幼稚園であろうが一般企業であろうが、業績アップや活性化を目指していることは共通だと思いますが、私として、業績アップのベーシックとしている3つのフレームワークがあります。
①マーケットサイズ付加
②ライフタイムバリュー
③商圏拡大
これらは、どんな業種業態であろうが、業績アップのためには、共通して検討・改革していくべきテーマだと思っています。
例えば、幼稚園・保育園業界では全国各地で少子化傾向ですから、園のまわりにいる子どもの数は基本的には減少し続けています。。そんな状況の中で、マーケティング的な視点として私が重視しているのは
『マーケットサイズ付加』
例えば、コンビニがわかりやすいと思うのですが、継続的にマーケットサイズ付加をすることで、1店舗あたりの業績アップ、利益率アップを図ってきているわかりやすい事例と言えるでしょう。
昔はお酒もなかったですし、薬もなかったですし、ATMもなかったですし、コーヒーマシンもなかったですし・・・それに加えて、休憩や食事をするスペースがある店舗も増えています。そうやって、一回の来店における客単価をアップする工夫と努力をしてきています。1回の来店で1人のお客様が使う金額が2倍になれば、単純にそれだけで売上は2倍になりますからね。
『今の利用者の潜在的なニーズを掘り起こして、それを足し算していくことで、業績へのテコ入れをしていく』
という発想。
そこで、今、子育て支援ニーズにおけるマーケットサイズ付加として私が注目しているのが『児童発達支援事業』ということになります。子ども達の中でグレーと言われる層の割合が確実に増えてきているというのは幼児教育の現場に接している人であればだれもが実感していること。
でも、その子ども達に対する、支援体制がまだまだ整備されていない。加配というシステムはあれど、そこに携わる人は、療育の専門家でもなく、その人の給与面に関しても法人で持ち出しているというところがほとんど。整備が不十分な状態が継続すると、現場には疲弊感が・・・
だからこそ、その中途半端でベターでもベストでもない状態を、本来のあるべき姿にいち早く進化させるための方向性が園が直接、児童発達支援事業者になること。
昨日も園長先生と、児童発達支援事業の実態や、自園がトライしていく可能性について情報交換をしました。最近、隣地を法人で購入できたので、そこを活用するのか?もしくは法人が所有しているほかの土地に施設を建てるか?駅近の物件を借りてそこで展開するか?
そんなマーケットサイズ付加の方向性を模索。
それに加えて、『ライフタイムバリュー』という発想も加えていくと更に効果的。
ライフタイムバリューの意味合いを簡単にお伝えすると、
『一人のお客様や利用者とスポット的なお付き合いではなく、長くお付き合いすることによって、トータル的に提供できる付加価値を高めて売上を最大化していく』
という考え方。
これを基盤として考えると、より低年齢からより高年齢までのお付き合いのスタイルをカタチにしていけるかということになります。故に、現行の制度で言えば、認定こども園化したほうがより低年齢からの整備ができますし、卒園してからのお付き合いでの課外教室や学童保育の充実などが検討されていくべきでしょう。つまり、地域に住んでいる方々との接点量を増やし、良質化していくことが今後のポイントになるということ。昔からフォーマットや枠組みではそれは実現できませんので、フォーマット自体も進化させていくようなアイデアとエネルギーが必要になっています。
私は別の言い方で『生涯園児発想』とお伝えしています。
卒園して小学生になったら関係性が切れてしまうパターンも多いのですが、そうではなくてその子が大人になるまでご縁がつながっていくようなフォーマットを新しく創造していくことがこれからの大きなテーマになっていくでしょう。
そして、更なるマーケティング視点が『商圏拡大』
認定こども園や幼稚園や保育園の課題の1つといいましょうか、当たり前なのですが、子どもが減ったからといって、すぐにその場を撤退して、たくさん子どもがいる場所に移転すればいいや・・・とはいきませんよね。学校法人という特性上、その土地は国に寄付してしまっているのですから。
でも、発想を少し転換すればその課題を突破できる方法はあります。例えば、最近の弊社の仕事内容で言うと、以前からお付き合いのある認定こども園が最寄り駅の駅前に、0歳・1歳・2歳児を対象にした認可保育園を開設しました。
このスタイルを私は『サテライト施設展開』と言っています。
その認定こども園にとってのサテライト施設がまさに、認可保育園であって、連携施設として、2歳以降の受け皿がこども園になるという構造ですよね。
こうやって、今ある施設の商圏をサテライト施設展開によって、拡大させていくことで、既存の商圏の限界性を突破していくという発想になります。
駅前物件のサテライト施設として、小規模保育所(認可園)を運営しているだけではなく、例えば、そこに先ほどお伝えした『児童発達支援事業』『一時預かり事業』でマーケットサイズ付加を行い、預かり時間の前後タイム朝と夕方の時間には、スポット預かりステーションとして機能させる。
つまり園まで送り迎えしなくても駅前のその場所にお子さんと連れてきてくれたら、園バスがそこに立ち寄って送迎しますので、利用者は便利ですよね。子どもも狭い部屋ではなく広い園舎と園庭で楽しく過ごすことができる。今まで商圏外だった駅向こうのエリアに住んでいる人達も取り込める可能性がでてくる。つまり、商圏拡大が期待できる。WIN-WIN-WINの関係が実現されます。
イメージは持っているがが、保留していたり、まわりの様子をうかがっている方も多い。
これからは、『発想力と実現力』の差が業績の差につながっていくでしょう。
特に足元商圏の子どもの数が以前に比べて半減しているようなところも多いので、このサテライト施設展開は、今後、ある程度スタンダードモデルになると個人的には考えています。もうすでに行政主導で実現している地域もありますし、法人独自のスタイルで取り組んでいるところもかなり増えてきてるのが実態。
すると何が起こっているのか?
駅前の良い物件の争奪戦が繰り広げられているわけです。昨日の話では、比較的、駅に近い2階のテナントが見つかった、家賃もそこまで高くないということでしたので、園長先生にはぜひGOすべきだとお伝えしました。集客要因の中で、立地はかなり大切な要素なので。
すでに、駅前サテライトは実現していて、今、プチ郊外の駐車場付き物件(コンビニ居抜きなど)を探している園もあります。すでに発想力でも実現力でも大きな差がついているということ。
『うちもまわりはもう子どもがぜんぜんいないから・・・』
と昔から同じ運営スタイル(フォーマット)の延長ラインの中でどうにも打ち手がなく悩んでいる園長先生も多いとは思うのですが、今お伝えしたように、以下の3つのマーケティング視点
『マーケットサイズ付加』
『ライフタイムバリュー』
『商圏拡大』
で、できる展開を発想力豊かに思いめぐらせれば、更なる飛躍の方向性を見出すことはできます。
ヒントやアドバイスが欲しいという方がいらっしゃれば弊社CLPにご相談いただければと思います。
逆に言うと、上記の3つの視点で具体的な手を考えて運営モデルを進化させていかないと、地域の子どもの数が減っているわけですから経営を安定的に維持していくことなんてできないし、地域一番園としてのブランドを保つこともできないということですよね。
世の中のあらゆるビジネスを見ても、厳しいマーケット環境や競争環境の中で生き残ってきたところは、上記の視点をちゃんと理解して、運営モデルを変化&進化させてきたという事例がたくさんありますので、その事例から学んでいくことが大切です。
実は、自分の著書でも自社HPでも発信している園の未来戦略コンセプト
『地域の教育総合コミュニティ施設への進化』
簡単に言うと、上記3つの視点をベースに考えて、行きついたコンセプトなのです。だから、地域の教育総合コミュニティ施設化に向かうことは、勝ち残っていくための絶対戦略だと思っています。
子ども達がたくさんいた時代・・・そんな3つの視点なんて考慮する必要はありませんでした。でも時代が変わり、今のような状態になったとき、やはり旧態依然のままでは勝ち残れない。だったらどう変化・進化していけばよいのか??
その道標になるものがが上記3つの視点ではないかと考えています。これは歴史の中で生き残ってきたところが教えてくれているんだと思います。
今日は、会食をしながらのスポットコンサルティングを通じて、私が一般的な業績アップや園の未来に向けた活性化の方向性として基盤にしている考え方やマーケティング視点についてお伝えしてみました。
お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。