ブレイクスルーまでの道のりと近道優先思考の罠 ~遠回りが一番の近道である?~
- 2024.05.21
- MESSAGE講演&研修PERSONAL COACHING
先週、弊社主催のVALUE UP CLUB 新人研修会(第2回)が無事に終了しました。
基本的には、社会人としての心構えとして、私が大切だと思っていること、そして経験値から学んできたことを中心に合計8時間の研修時間枠でポイントやエッセンスをお伝えしています。
その中の1つの定番としているメッセージが・・・
『成長曲線(努力した時間とあなたの成長は正比例しない)』
詳細については、以下のブログ記事をお読みください。
各人のブレイクスルーまでの道のりは簡単ではないしワープなんてできないということ。
その道のりは遠回りであり、本当にゴールや目標達成に近づいているのかと疑いたくなるかもしれないけれど、実は最短距離を突き進んでいるのかもしれない。
そうやって自分の未来と可能性を見限ることなく、未来の自分を信じて地道に時を重ねられる人がブレイクスルーというご褒美を手に入れることができる。
それに加えて、ブレイクスルーまでの遠回りのように感じた苦労と試練のプロセスこそが人生にとっても大切なものをその人に与えてくれている。
【ブレイクスルーまでの道のりがあなたにもたらすもの】
①プチ成功体験からもたらされる自己肯定感と自己信頼感
②絶対的安全地帯・・・絶対的な味方があなたにいることの実感
(不安定だからこそ、安定と安心を与えてくる大切な人に気付ける)
③レジリエンス(忍耐力)・・・逆境から逃げず向き合う力
④感謝と敬意・・・自分1人では限界があることの自覚
自分自身の経験値から上記の4つがブレイクスルーまでの道のりでもたらされる大切なものだと自覚しているので、そんなメッセージも送っています。
そして有名な人も同じようなことを・・・
『無駄な過去はない。失敗がないと深みがない。遠回りが一番の近道である。』
この言葉を語った人物は・・・
イチローですね。
あるインタビューの中で、
「最近は情報量が多いので、最短距離で目標まで到達できる可能性が増えた」
というコメントに対して、イチロー選手は『無理だと思います』とハッキリ切り捨てたそうです。
現実的にまったくミスしないで目的地に到達することはできない。
それよりも危険視すべきなのは、ミス無しで目的地にたどり着いてしまった場合である。失敗をせずに目的を達成した人には、深みがでない。
そんな話をしたそうです。
これらのイチローが語った言葉の中にいろいろなヒントがあるのではないでしょうか。
今、確かにYOUTUBEなどのインターネットメディアの情報量はとてつもなく豊富で、そんなツールを通じて簡単に体験したことない知識もインプットできる環境がある。
そんな環境の中ではどうしても、自分の実体験や苦労や工夫というプロセスを経なくても、目標到達への答えらしきものが情報として入手できてしまう。
だから・・・
無駄なことはなるべくしたくない
失敗もできる限り避けたい
遠回りなんて嫌だから最短距離で行ける方法を知りたい
そう思ってしまうのは無理もないかもしれませんよね。
そんな『近道優先思考??』こそ危険なんじゃない。というイチローのアンチテーゼなんだと思います。
一般的に、無駄、失敗、遠回りというフレーズはネガティブな印象を持っている人が多いかもしれませんが、無駄をしてきたからわかること、失敗をしたからわかること、遠回りしたからわかること、それによってもたらされる人生の知見や知恵が、その人の深さにつながっていくことも確かだと思いますね。
答えらしきものが、情報として簡単に手に入る時代だからこそ答えらしきものが、自分の中でわからないことに対してフリーズしてしまう人が増えているのかなとも思います。
無駄になってしまうかも、失敗してしまうかも、遠回りしちゃうかも・・・そういう状況をできるだけ避けようとする。
でも、そこで入手できる”答えらしきもの”は自分の経験の中でつかんだ確信ではないですよね。いわゆるコピーのレベル。だから、突っ込まれたときにその相手に自分の言葉で語ることはできない。それが深みがない人の1つの背景なのかなと思います。
『”答えらしきもの”ではなく、無駄と失敗と遠回りからつかみ取った確信をもって生きようよ!!』
とイチローが教えてくれている気がしますね。
短期サイクルで見ると、遠回りに感じてしまうことも、人生軸の大きなサイクルで見ると・・・
『遠回りと思ったけれど、実はあの時があったから今の自分がある!!』
と感じている人がいる。そういうふうに自分の過去を振り返ることができている人こそ、本当の意味でブレイクスルーを達成している人なのかもしれませんね。
お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。