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やめることを決める勇気が欠如している? ~惰性的継続を見極める力~

『働き方改革』『ライフワークバランス』

そんな言葉が日常的に飛び交うようになっているとは思うのですが、コンサルティングの現場ではなかなかイメージ通りにそれが進んでいない現実にも直面することが少なくありません。

『どうしても、帰る時間が遅くなってしまう・・・』

『定時に帰るというルールを厳守すると、どうしても持ち帰りの仕事が増えていく・・・』

そんなトークや精神状態が蔓延している組織もまだまだあるのが現実でしょう。

多くのそのような実態に触れてきて、客観的にその組織を見ていてある程度、共通して感じていることがあります。それは・・・

『やめることを決める勇気が欠如している』

ということ。

『優秀な組織のリーダーほど、何か新しいタスクが降ってきたり、新たな挑戦をしたりする際は、まず「やめること」を決めてから取り組んでいる。』

これはある本に書かれていた真実。

これまでのままにせず、新たに挑戦したり、チャレンジしていくことは組織改革や活性化にとって重要なファクターであることは間違いないわけですが、でも、それを継続していくだけだと多くのタスクが積み上がり、対応していく時間が足りなくなる。

『どんどん新しくやることが増えて、こんな状況だと回しきれない・・・』

そんなジレンマに悩んでいたり、愚痴を言っている現場の人たちも多いのかなと思います。

昔からやっているけれど、今となってはその目的やねらいを失い、惰性的に継続されていることが組織の中には必ずあります。でも、そこに長い間埋没していると、ルーティン化してしまって、気づけなくなってしまう。それに加えて人間にはどうしても以下のバイアスがかかるもの。

『損失回避バイアス』『現状維持バイアス』

損失回避バイアスとは、「多くの人にとって『利得の喜び』と『損失の悲しみ』を比べると、後者のほうが大きく感じる」という人間の心理傾向のこと。

損失のほうが利得よりも2倍程度大きく感じると言われています。

つまり、今までやってきたことをやめられないという感覚には、損失回避バイアスが少なからず影響を与えているということなのでしょう。得することよりも損することを恐れる人のほうが多いということ。

何かをを失うことへの恐怖を感じて「失いたくない!」という欲求が働く。何かを手放すリスクを無意識に大きく感じすぎてしまうのが人間の特性のようです。

現状維持バイアスも近似した心理傾向。

今の安定レベルに変化を与えるリスクを強く感じて、新しいことやチャレンジを無意識に避けてしまう人間も多いということ。

これはもちろんその人のベースにある思考による部分で変化すると思いますが、この現状維持バイアスもコンサルティングの現場では日々感じていることの1つですかね。

時間の流れの中で・・・

インパクトを出すことができなくなっている仕事や業務を見極める力

”惰性的継続の傾向が強い仕事や業務”を見極める力

この2つの力が組織のリーダーには求められますかね。

『これまで、このやり方や手法でやってきたので、お客様満足を維持できているんだ!!』

という思いはわかるのですが、いざ、お客様や利用者に聞いてみると、そこまでのインパクトになっていない事実が判明したりすることもありますからね。

自分たちが苦労してきた歴史、積み上げてきたスタイルを信じ続けたいし、大事にし続けたいと思うう気持ちはよくわかります。でも、そこは客観的に感情的にならず総合的な判断、決断していく覚悟が必要なんだと思うんですよね。

『チャレンジすることとやめること』

これを同時進行で考えるのがまさに働き方改革、ライフワークバランスにも大きな影響を与えていくんだと思います。

働き方改革としてのタイムマネジメントや全体業務の時短や効率化で意識して取り組んでいるけれど、大きな成果につながっていない組織の共通項は、やめることをちゃんと決断できず、中途半端な対処レベルの改革に終始しているパターンが多いのかなと感じています。

『やめることを決める、そしてチャレンジする』

『挑戦したいことがあるなら、やめるべきことを決める』

その”やめる”は決してネガティブなものではなく、ポジティブにつながる”やめる”ですよね。

もちろん各種のバイアスもかかってくるので、簡単にできることではないと思うのですが、断捨離と一緒で、今後役に立つとか使うだろうと思ってとっておいたものを、思い切って捨てても何の影響も問題も起こらなかった。なんて話をしている人も多いですからね。

思い入れも大事だと思いますが、思い込みだったりすることもあるので、それを手放すことで新しい価値がもたらされるということも念頭に置きながら、働き方改革なり、ライフワークバランスをうまく調整して進めていくこともいいのかなと思いますね。

お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。

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