バタバタしてしまう人と冷静沈着な人の差 ~オーバービュー・エフェクト~
- 2023.01.13
- PERSONAL COACHINGMESSAGE
明日で47回目の誕生日を迎えます。ということで今日は46歳最後の日。
なんだかあっという間に40代の時間が経過していきますね~。33歳で起業してから弊社も15期目に突入するわけですが、サラリーマンとしての10年間、そして経営者としての15年間・・・つまり社会人になって25年間が経過しているわけですが、振り返ってみるとほんとにあっという間だったな~と実感。
そして起業してから書き続けているこのブログも今日で1527件目の投稿になりますが、ここまで継続していると過去を思い出すときに、日記的な要素もありますから、このブログがけっこう役に立つ。そういう意味では自分がこの15年間生きてきた時間の投影とも言えるのかもしれませんね。
これからもできる限り、日々の想いや活動内容を投影していけたらと思います。
さて今日のテーマは・・・
『バタバタしてしまう人と冷静沈着な人の差について』
同じシチュエーションに遭遇したときに、各人の様子には必ず差がありますよね。
大きく分けてしまえば、何かが起こったときにいつもバタバタしてしまう人といつも冷静沈着に対応できる人がいる。その差はどういう部分から発生しているのか??
研修や講演会などでよくお伝えしているフレーズですが、
『人生は想定内と想定外の連続で成り立っている』
『想定外を経験していく中で想定内を増やしていくことが成長していくプロセス』
つまり、何かが起こったときにその現象が想定内であればあまりバタバタすることはない。しかし、まったく想定外の出来事が身に降りかかればどんな人でもバタバタしますよね。
だから冷静沈着な人は、バタバタする人よりも、その出来事や現象に対する免疫があるということなんだと思います。つまり、あらゆる体験や経験の量が多いということは、想定外を想定内にしていくプロセスでもあるので、バタバタ度を減少させていくためのプロセスとも言えるでしょう。
社会人になりたての新人社員が、その他諸先輩よりもバタバタしてしまうのは上記の理由からある意味しょうがないことかと思いますね。
でも、経験値があまり高まっていない人の中にも、いつも冷静沈着で落ち着いている人はいますよね。自分自身も若いころから比較的、落ち着いているね、冷静だねと言われることが多かったようなのですが、自分なりに何かが起こったときにどういう心理が働いていたかというと・・・
『できるだけ客観的に物事を捉える』
ということかなと思います。
それは若造の20代から経営コンサルタントという職業を担っている人間として、常に相手よりも冷静で落ち着いていていなければ、信頼、信用されないだろう・・・といった意識が強かったことは確かです。
会社や組織の窮地やトラブルや問題発生の際に相談にのるケースが多いので、相手はけっこう心理的にナイーブになっていたり、冷静さを欠いていたり、心が大きく揺れ動いていたり・・・そんなときに自分もバタバタして落ち着きがなく同じように動揺して感情的な雰囲気だったら、『この人大丈夫かな??』とさらに不安にさせてしまいますからね。
だから、その人よりも大きな視野や視座で、その物事を冷静に客観的に捉えるということを意識していました。20代のころはまだ経験値も実力も未知数ですから、そうやって見せるように演出していた自分がいることも事実。それが時間の経過とともに知識も知見も増えて自分のナチュラルなスタイルになっていったということでしょうか。
これは、当時の部下や若いメンバーにもちょこちょこ伝えていたことですかね。
『若い時ほど、どうやったら相手に信頼、信用されるかを考えなさい』と・・・
ちょっと偉そうですが、年齢に甘えてはいけないということも教えたかったので。若くても、お客様にアドバイスをさせていただく仕事をしている人間として、若いので・・・なんて年齢を言い訳にするような姿勢は一番よくないと思っていたので。
違う捉え方で言えば、『その出来事からある程度距離をとること』が大切なんだと思います。現実的にも、何かを見ようとして近づきすぎると、全体の中の部分しか見えないからそれがどんなものなのかがわからない。だったらどうするか?ちょっと離れて全体像が見える位置まで移動すれば、それが何かが明確になる。これって、皆さん当たり前にやっていることだと思うんです。
バタバタしてしまう人の1つの共通項は・・・
『出来事や物事との距離が近すぎる』ということになりますかね。
もしくは何かに執着しすぎていたり、こだわりすぎていることによって視点や視座がすごく狭くなってしまって、思考の窮屈さからバタバタしているという現象が生じているケース。
つまり・・・
『執着している結果や人、出来事と距離をうまくとるとその対象を客観視できる』
ということ。これを時間軸の概念で応用すると・・・
瞬間やその時という短期的視点ではなく、中期的&長期的視点で考えることで、少し気が楽になったり、冷静な判断につながったりするわけです。
このような考え方を心理学の世界では
『オーバービュー・エフェクト』と言うそうです。
もともとは、宇宙飛行士が宇宙から地球を見下ろしたとき、言葉にできないほど美しい地球が見えた。つまり普段の距離感とは違う場所から見るとまったく違うもののように感じた。というところから派生した概念のようです。
ちなみに、自分は、何かをアイデアを真剣に考えるときや、より冷静に考えたいときに、ちょっと気分転換したいのか、デスクから少し歩いてその周辺を散歩するかのように歩きながら考える癖があります。それは、大事な判断なときに無意識にしていること。
これも、距離をとる、場所を変えるという物理的な行為なのですが、心理的になんかしらの効果が働いているような気がしますね。
人間関係の分野でも『オーバービュー・エフェクト』を自然とうまく活用できている人はいますよね。例えば、誰かと喧嘩してしまったときなど、ずっと一緒の場所にいるとさらにエスケレートしそうなので、ちょっと距離をとって別の部屋に移動したり、数日間は会わないようにしたり・・・
そうすることで、冷静さを欠いている自分をリセットしているんだと思います。
そうやって教わったわけでもないのに、本能的に自然とうまく活用できているのが人間のすごさであり、優秀さなのかもしれませんね。
総括的にお伝えしたいのは、
『何かのトラブルや問題発生によって心が動揺して感情的になってしまうときや、ちょっと人間関係でトラブったり、どうも苦手な人と時間を共有しなければならないときなどは、その場面や出来事からちょっと距離をとるという行為をしたほうが冷静に客観的になりやすいということ。』
方法論としては、言葉通りに物理的、空間的な距離をとるという方法がわかりやすいですが、それができないときなどは、誰かに相談にのってもらうことで凝り固まっている、もしくはモヤモヤ混乱している思考が整理されると、冷静さと客観視につながっていくはずです。
基本的に、バタバタしている人は、自分の頭の中がごちゃごちゃ混乱しているからバタバタしているのであって、それがある程度整理されると現況やその出来事に対して冷静に客観視ができるようになり、その焦りやバタバタが軽減されるという流れになっています。
それを自分でセルフコントロールできる人こそ、冷静沈着な人ということになるでしょう。自分でコントロールするのが苦手な人は、相談という形で人に手伝ってもらえばいいでしょう。
今日は、バタバタしている人と冷静沈着な人の差ということで、自分なりの見解を整理してみました。
『何かに困ったときは、意識的にその現象や出来事や人との距離感を調整してみましょう』
ということですね。
お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。