困難な自己変革は真のリーダーへの通り道 ~できる上司になるのは難しい~
今年は明日が仕事納め・・・今年最後の仕事は研修会講師となります。
神奈川県私立幼稚園連合会からご依頼されているキャリアアップ研修
ありがたいことに、最近は定期的に講師のご依頼をいただいており、前回は『新規採用教員向けの研修会』でしたが、今回のテーマは『リーダーシップとチームマネジメント』ということで、ある程度のキャリアを積まれた先生たちが対象となります。
まだ、コロナの影響はある中での開催なのでオンライン形式。100名程度の参加人数になるようです。午前の部と午後の部にわたっての研修で私がトータルで講義をさせていただく時間は約5時間。
今日は明日に向けた頭の準備ということで、全体の内容を整理整頓しております。先ほどある程度のイメージができましたので、このタイミングで気分転換も含めたブログ投稿タイム。
テーマがリーダーシップ&チームマネジメントということで、これまでの自分自身の経験則やら、そのテーマをベースにした本や諸先輩方からいろいろとインプットしてきた情報などを基盤にプログラムを組み立てているのですが、現場のコンサルティング経験の中でどんな組織やチームにおいても強く感じていることは・・・
『リーダー育成の重要性』
どんな業種や業界でも、その組織やチームがより良い発展や改革を進めていくためには、かなり重要で、良くも悪くも大きなテコがかかる要素でしょう。
こういう機会に、以前集中的に読み込んだ「リーダーシップ関連」の著書を本棚からセレクトして空いている時間にちょこちょこ読み返すこともあります。
なんで読み返すことが必要なのか?
同じ本を読んでも、読むタイミングによって、インプットされる内容や、そのフレーズの理解の幅が違うからです。数年前に読んだ本でも、読み返してみると、当時はあまり重きを置かなかった文章が、今は重要に思えたりして・・・
だから、自分はその時共感したフレーズは必ずラインマーカーを引くようにしています。そうしておくと、その違いも分かりやすくなるわけですからね。
久しぶりに手に取った本は、
「ハーバード流 ボス養成講座」 ~優れたリーダーの3要素~
自分がサラリーマン時代に管理職をしていたときですからかなり前に読んだ本。著者がハーバードビジネススクールのリーダーシップ部門主任教授。ということで、2,000円でハーバードビジネススクールのリーダーシップ講座のエッセンスを学べるんだからこれは買わなきゃ!!と思って購入しました。
そこには・・・
大多数の組織は、偉大なマネジャーがごく一握り、優れたマネジャーが数人、凡庸なマネジャーが大勢、冴えないマネジャーが数人、とんでもないマネジャーがごくわずかという構成になっている。
あなたも、これまでの職業人生のどこかで、「どうしてこんな人がマネジャーになれたのか(マネジャーでいられるのか)」と首をひねるほどひどい上司に出会ったのではないだろうか。
と書いてあります。
経営コンサルタントとして活動している時間が多いので、たくさんの方々の相談に乗ることも多くなるわけですが、正直なところ、上記の文章はまさに相談案件の中で多い内容。
幼稚園で言えば、マネジャーという呼び方よりも主任や主幹と言ったほうがわかりやすいと思いますが、残念ながら上記のように若い先生達に思われている主任もけっこう存在するようです。これは、現場で何百人もの先生達から生の声で聞かされてきました。
自分も33歳までは組織の一員としてサラリーマンをしていたわけですが、正直なところ、マネジャークラスの人達の中には尊敬できる人もいれば、どうして??という人も入り混じっていたことを思い起こすわけですね~
そして、更にその答えのような文章も書いてあります。
「できる上司」になるのは難しい。なぜなら個人として高成績を出すのと、他人を動かすのはまったく異なる種類の仕事だからだ。しかし、ほとんどのマネジャーは、自己管理の延長線上で部下の管理をしようと考えている。平社員時代に花形でやり手だった人ほど、この傾向が強い。
そうして部下の気持ちを理解できず、チームをまとめられず、権限委譲できず、自分で仕事をこなす癖がやめられず、マネジャーとしての付加価値の付け方がわからない「グズ上司」になる。
確かに現場のプレーヤーとしてはすこぶる優秀だった人が、チームリーダーとなって自分の部下やメンバーを育てる仕事を任せられた途端・・・何をやっていいのかわからず、からまわりした結果、まわりに嫌われて、自分の価値をどんどん下げていくパターンには過去も現在も数多く遭遇しております。
自分がやってきたことを押し付けようとする、メンバーを認めず信頼もしていない、自分でやったほうが早いからと、メンバーに仕事をうまく振ろうとしない・・・
そんなことをしながら、『俺はすごいだろ~!!』と自己顕示欲の固まりのような人。こういう人はほんとに、お客様への対応とメンバーへの対応に裏表がある人が多いと思います。だから、余計嫌われてしまう。つまり、自分のポジションを守ることに必死!!
もちろん、そこに必死だからチームを育てるという発想は後回しで、もっと悪いケースは自分のポジションを奪いそうな優秀な若者がでてくるや否や、その人をたたこうとする。これって多くの組織で現在進行形なところも多いのではないでしょうか。
そして、補足としてこんなことも書かれています・・・
マネジャーの仕事はそれ以前のどの経験とも異なる。できる上司になるのが難しいのは、個人プレー型の仕事とマネジャーとしての仕事とのあいだには大きな隔たりがあるからだ。
できるマネジャーになるには、新しい知識を培うだけではなく、困難な自己変革を遂げなくてはならない。行動、発想、感じ方を変えるように求められる。これまでと違った満足の源を見つけて、慣れ親しんでいるが今となってはふさわしくなくなった役割や自己認識から抜け出すのだ!!
う~んなんとも深いメッセージだと思いますね。
つまり、ある程度プレーヤーとして一人前になって、そこで満足して、その延長線上でなんとかしようと思っている時間が長い人間は、できる上司にはなれないということでしょう。
そこから、次に向かって取り組むべきことは・・・『困難な自己変革』
ある程度キャリアアップすると、新人や2年目・3年目の頃よりも自分の成長スピードは鈍化することはありますよね。そこで次のステージへのステップアップの方向性を見失って、以前の輝きを失っていく方々の相談も受けることがあります。
やはり、その伸びしろは『リーダーシップやチームマネジメント』を学び、その力を身に着けていくことにあると思いますね~。個人成績ではなく、チームや組織の成績を上げることができる力について学ぶということです。その力については、この本にも詳しく書いてありますし、本屋に行けばたくさんの本に出会えると思いますね。
いきなりこの本を読むのは難しそうだな~と思う方には、これらの本がお薦め!!
私のコンサルティング先のリーダークラスの人に『何か参考になる本ないですか?』と質問されたらご紹介している本になります。
『リーダーやマネジャーとして何が大切なのか?どこで差がついていくのか?』
そんなエッセンスがわかりやすく凝縮された良著だと思いますよ。
コンサルタントとして、お手伝いしている多くの組織の中で真のリーダーを多く輩出していくことがあらゆることを効果的、効率的に進めて行く原点になると思っています。
そんな自分に、まさにありがたいチャンスを与えていただいたので明日の研修会もできるだけ多くの参加者の方に何かしらの前向きなヒントやエネルギーを提供できるように頑張りたいと思います。
お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。