できると教えられるの差 ~品質は現場第一線で決まる~ サッカースクール編
指導者 サッカーコーチ サッカースクール コーチスキル 人格形成
春らしい気持ちの良い天気が続いていますね。
そんな春には、新しいチャレンジをしている人達も多いのかなと思います。
昨日は、息子のサッカー大会でコーチ&審判。3試合あって、結果は1勝2敗の成績でした。
我が息子も自分の小学校のメンバーが中心となる週1回(日曜日)のサッカーだけでは、練習量&刺激が足りていないということもあり、3年生から平日にサッカースクールに通いたいとなって、春休み期間に、サッカースクールの体験会に参加しました。
私もかれこれ40年くらい??サッカーに携わる生活をしているので、そんな中で出会ったサッカー関連の知り合いや友人から情報収集をして、逗子から通えそうなサッカースクール候補をいくつかセレクト。
最終的に、私の友人や知り合いもお勧めしてくれた、Aサッカースクールに通うことになり、4月から頑張っています。
そのスクールでの体験会が一番最初だったのですが、本人が帰ってきて、コーチの雰囲気や感じがよかったらしく、『ここに通いたい、ここで頑張りたい・・・』と一言。
やはり、口コミや信頼できる人達からの評価が一番参考になるということ。
そして、2つ目の候補としてセレクトしたBサッカースクールの春キャンプ(3日間)に参加した日の初日、帰ってくるなり、『もう明日行きたくない・・・』と一言。
『なんで??』と理由を聞くと・・・
どうやら担当コーチの教え方や言動に対する印象が良くなかった様子。
実は、このブログでも何度かお伝えしている、東京を中心に活動しているGAFCのアドバイザーをさせてもらっていたときから長年知り合いの優秀な現場コーチにBサッカースクールについて聞いたところ・・・
『ちょっと野暮ったい感じですかね。』 『雑賀さんには合わないかも・・・』
と言っていたので、前情報通りだな。というのが私の受け止め方でした。
以下にGAFCのサイトリンクしておきます。
GAFCサイト⇒https://www.gafc.jp/
当時、チームアドバイザーとして活動させてもらっていたときは、ユースチームの立ち上げを上記のコーチと一緒に担当したのですが、なかなか大変だった記憶があります。そのときはユースチームの代表という肩書でもあったのですが、東京の地で、新参者でまだ立ち上げて間もない、ジュニアユースもない、ホーム練習場もちゃんと確保できていない団体がいきなりユースチームを立ち上げるというのはかなり異例なことで、ちょっと無謀な挑戦・・・
各種名門チーム(FC東京、東京ヴェルディ・・・)などの代表やコーチの中には、元Jリーガーの人たちがたくさん。そんな人たちが50人くらい見守る中で、そのコーチと2人でユースチーム立ち上げをお願いするプレゼンを行ったときは、自分も緊張感ありましたね~。もちろん、講演やプレゼンテーションは何百回も経験を積んでいますが、場がいつもとは全然違ったので。
20代の若いコーチがそこでかつてプロの世界で活躍した人達を相手にプレゼンをしてその後にたくさんの質問に的確に回答していくというのはハードルが高い案件でしたので、私が代表という肩書でその場に同行して、その役割を担ったということ。
無事になんとか、協会の承諾を得られて、ユースチームが立ち上がりました。私もある程度の責務を果たせてほっとしたことを覚えています。
さて、話を元に戻しまして・・・
息子がBサッカースクールのキャンプ2日目に参加して、帰ってきても前日と同じような雰囲気。3日目は私が同行できる予定でしたので、『その野暮ったい感じ?』がどんなものなのかをリサーチしようとも思いながら、最終日、息子のサッカーキャンプ風景を観察するパパ。
すると、すぐにわかったのですが・・・
指摘していることや教えたいポイントなどは別に間違っていないと思うのですが、
それを伝える、言語化するスキルが不足しているので、子ども達がピンときていない。
言い方が高圧的でネガティブワードで追い詰める感じなので、子ども達のやる気がそがれる。
その連続なので、場の雰囲気が悪く、活気がないトレーニング風景。
少なくとも楽しい雰囲気ではない。
特に、私の息子なんかは、言葉にどちらかというと良くも悪くも敏感なタイプなので、その一言ひとことが気になって、明らかに表情でわかる(まああれはむかついている顔ですね)
練習後に一言、『あの言い方はダメ・・・』とちょっと偉そうに言っていました(笑)
初日に息子が感じたこと、そして『野暮ったい感じ?』はこれか!!とよくわかりましたね。
そこで強く感じたことは・・・
『できると教えられるの差』
BサッカースクールのWEBサイトを見ると、コーチングスタッフの紹介ページがあるので、その担当コーチの肩書を見ると、かつて名を馳せ全国大会でも良い成績を残した名門高校サッカー部の出身。
その高校サッカー部に在籍していたということは、サッカープレーヤーとしてはおそらく優秀であり、上手であることは間違いないのかなと。でもそこで勘違いしてはいけないことがありまして、プレーヤーとして優秀な人が、プレーヤーとしての経験値だけで教えてしまうと、上記のようなことが起こりやすいということ。
まさに、『できると教えられるの差』のわかりやすい事例が今回のキャンプコーチの事例。
GAFCのアドバイザーをさせてもらっていたとき、私のもう1つの役割は、10代~20代の若い指導者&コーチングスタッフの方々に、社会人として成長していくための視点や、子ども達を成長させるために気を付けたほうがよいポイントやその保護者とのコミュニケーションの悩みなどについて相談にのる立場でもありました。コーチのコーチみたいな感じ。
だからこそ、Bサッカースクールのコーチの指導スタンスが余計気になってしまいましたね。彼は完全にプレーヤーの延長で指導者やっているなと・・・指導者として子どもを成長させるポイントを履き違えて今まで指導者をやっているなと・・・
でも、それって本人が自分で気づかないと改善できないんですよね~。だって、自分はできるコーチだと勘違いしているでしょうから。そんな勘違いの感じは、トレーニング中に彼が発する言葉を聞いていればよくわかります。そして態度にもそれはあらわれています。トレーニング中、ポケットに両手を突っ込みながら指導していましたから。2日目に同行したうちの奥さんもそれはわかったみたいで、指摘していました。
指導者やコーチの立場というのは、ある意味勘違いしやすいポジションでもあるのかなと思います。うちの息子のようにそのコーチに思うことがあっても、面と向かって子どもからコーチに言えませんし、言いませんよね。保護者だって、私のようにサッカーの経験値があって、その他スクールの情報も持ち合わせている人はそんなに多くないから、『これが普通なんだろうな』と思ってしまう人もいるでしょう。
ということは、正しい指摘をしてくれる人が少ない立場ということでもあります。ここを自覚しておかないといつの間にかおかしなことになりやすい。だからパワハラとか虐待というニュースがちらほら。もしかすると、そのコーチは今までにいくつか指摘を受ける機会があったかもしれませんが、そこを素直に受容しなかったという結果、現在のレベルに至るのでしょう。
春の短期キャンプにたまたまスポット参加した子どもの父親がそのレベルまでチェックしているとは、もちろん本人は気づいていないでしょうし。
ちょっとアバウトな言い方になってしまいますが、やはり指導者としてレベルアップしていく過程に必要なことは、『良質な人格形成』なんだと思います。技術を表現できて伝達できることに加えて、魅力的な人物であること。子ども達の本当の”師”になるためには、そこが加わっていくことがとても大切ではないでしょうか。少なくとも、その担当コーチには残念ながらその部分をまったく感じることができませんでした。
それがある程度のレベルになっていれば、自分が指導者としてどうあるべきかという自問自答の中で、自分の課題や伸びしろや目指すべき姿をイメージして改善できるでしょう。そして、言っていること、伝えていることの意味は間違ってなくとも、それをネガティブな言葉のセレクト、追い込むような言葉づかいで伝えてしまうと子ども達の成長や意欲に対してマイナスに作用してしまう。指導者として子ども達のマインドアップにつながる言葉のセレクトがいかに大切かということに気付いて改善していくことでしょう。
更に、プレーヤーの延長ではなく、プロとして活動する指導者として”できる”だけではなく”教えられる”スキルを高めるための勉強に時間を割くようになるでしょう。
私は現在、ボランティアパパコーチなので、お金をもらってやっているわけではありませんが、少なくとも、Youtubeなどから指導レベルを高めるために情報は日々インプットしています。ましてや、キャンプやスクールでは費用が発生しているわけで、それはすなわちプロフェッショナルコーチとしての価値を求められるわけですから、その自覚や責任感の差は人によってかなり大きいと今回強く感じましたね。
経営コンサルタントとしての視点を加味してお伝えすれば・・・
『品質は現場第一線で決まる!!』
ということ。BサッカースクールのWEBサイトにはとても興味をそそる、そして期待につながる表現が散りばめられているわけですが、現場を見た結果として『それは言葉だけだった・・・』というのが私の実感。もちろんビジネスでもありますから、最終日に4月からのスクール入会申込書を渡されましたが、その内容も見ず、我々親子は迷いなくその用紙を家のゴミ箱に捨てたのでした。
これが品質は現場第一線で決まるという現実です!!
今日は、春の新しいチャレンジサポートの中で、実体験した、『できると教えられるの差』をお伝えしたくてブログを書かせてもらいました。自分自身もこんなことを書いてしまったので、一人のサッカーコーチとして更なる成長を目指して頑張りたいと思います。
お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。
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