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くすぶりを希望と期待に変えて維持していく ~タイムリーでポジティブなリアクション~

昨日は、9月から新たに認定こども園として生まれ変わる法人へのスポットコンサルティング訪問。

コロナ前までは月次訪問スタイルでコンサルティングサポートしていたのですが、コロナをきっかけにしばらくサポートから遠ざかっていた幼稚園。

数年前に弊社にクリエイティブ事業でのご依頼で、コンサルティングと同時にホームページ制作も全面プロデュースさせてもらいました。認定こども園化するにあたってホームページも然るべきタイミングでリニューアルが必要だろうと思い、そんな話ができたらと5月に久しぶりにご訪問。

『こども園化に向けた準備は順調ですか?』

とお聞きしたところ、実際にオープン条件としての人員採用もまだできておらず、そして、実際に運営する上で、これまで経験値のなかった、乳児対応(保育部門)におけるあらゆる準備がかなり後手後手になっている実態が判明。新園舎の建設は順調に進んでいるのですが、ソフト面における準備がかなり遅れている。

そして、「入園説明会」で説明すべき各種の準備項目がまだぜんぜん整理されていないということで、先駆者であり2年前に同じプロセスを踏んだ、弊社コンサルティング先の認定こども園を見学して、園長先生や幹部クラスの先生にいろいろと準備ポイントやそれまでに行うべき課題などについてレクチャーを受けたほうがよいと思いまして、私が急遽、見学日程を調整して当日もアテンドさせてもらいました。

正直、私が話を聞いていたときに、9月からスタートする状況の中でかなり準備が遅れている状況を察知しましたし、準備の責任者になっている先生もとても不安そうだったので、すぐに私も手を打ちました。『なんとなるさ』という時間はもうなく、タイムリミットが迫っていたので。

良い意味でのちょっとしたおせっかい??サポート??から園長先生のスイッチも入り、あらゆる準備を圧縮負荷で頑張って、9月からの新規入園者も決まり、なんとかオープンできそうな状態に。

そんなおせっかいを少しさせていただいたら、9月にスタートする前準備の諸々の相談でコンサルティングしてほしいとのご依頼がありまして・・・

法人の歴史としても認定こども園化するというのは大きな変化ですし、新園舎も建てて、新しいメンバーも増えるわけですから、8月末に『決起大会』をしましょう。ということになり、昨日はその内容や構成の打ち合わせとその他もろもろの相談対応。

準備段階でかなり時間の圧縮負荷をしているステージなので、私の経験値として予期されることは、皆さん精神的な余裕がない中で、各人のいろいろな”心のくすぶり”が存在しているだろうなと。

トップにはトップの、幹部には幹部の、リーダーにはリーダーの、中堅層には中堅層の、若手には若手の、パートスタッフにはパートスタッフの、新規メンバーには新規メンバーの・・・

それぞれの立場で心のくすぶりが存在している。

順調に余裕がある中で準備万端なステージであれば、上記のくすぶりも低減されるでしょうが、今回のケースはかなり無理が生じながらのなんとかこぎつけたステージなので。

『若い人たちが自分の意見を言わない。主体的に動こうとしない。』

という相談も多くあるわけですが、この園もどちらかというとその傾向があるようです。まあいろいろと要因や原因はあると思うのですが、私の1つの見解として感じているのは、

『くすぶりを吐き出す、相談できる場所が機能不全に陥っている』

『くすぶりが解消されないままになっていることでモチベーションが下がっている』

くすぶりとは、何か納得できていないこと、ちょっと不満に感じていること、なんだか違和感があること、それらの総称みたいな感じですかね。

上記の実態が慢性化している職場環境に身を置いている人は、納得できない時間、不満がある時間、違和感のある時間が蓄積されているわけです。その時間が長ければ長いほどその組織やチームに対する前向きな希望や期待が吸い取られていく。

希望や期待が吸い取られていくと、人間の心は、”あきらめ”という方向に向かっていく。

『言ってもちゃんと聞いてくれない。すぐに否定される。』

『意見を出したはいいけれど、その意見に対して何も反応してくれない。』

そんな状態が日々続いていくと、それは意見を言わなくなるし、主体的に自発的に行動しようというモチベーションも下がっていく。それが人間の本質だと思うんですよね。

だから、何か言いたいのか?

チームマネジメントは、相手の想いやくすぶりをちゃんと聞くところから改革がスタートするということ。更に、聞くだけでは不十分で、聞いた上でそのくすぶりが希望や期待に転換していかなければならない。

そのポイントは、『タイムリーでポジティブなリアクション』

リアクションの第一ステージは、真剣に聞く姿勢を持つということ。

第二ステージは、その聞いた内容をベースに何かを良い方向に変えるということ。

もちろんすべて変えるということではなくて、すぐに活かせることや変えられることがあればできるだけタイムリーにという意味です。

この第一&第二ステージのリアクションが成立している環境があると、人のくすぶりが少しずつ希望と期待に転換されていくわけです。

ここで、話を上記の園の決起大会に戻しますが、その構成プログラムの中に、私からの提案でグループディカッションの時間を1時間ほど入れ込んでいます。

ディスカッションテーマ

『働きやすい職場づくりために何か大切なのか?』

『私たちの働きやすさを高める要素・要因とは?』

30数名でこのテーマに対するグループディスカッションを行う予定です。

かなり漠然としているテーマではありますが、一緒に働いているけれど、このようなテーマで同僚と意見交換やらちゃんと話し合ったことがあるか?というとおそらく多くの人たちが意見交換したことがないのかなと思うわけです。働きやすさとは何か?というテーマに対して自問自答したことがない人も多いでしょう。

なぜこのテーマを提案したのか?

私の著書にも書いてありますが、

自分のコンサルティングコンセプトの1つ。

『成功のトライアングル』

「経営・運営とは、3つの大切な要素のバランス調整である」という考え方。

視点①:ES(従業員満足)の視点
視点②:CS(顧客満足)の視点
視点③:Profit(利益・付加価値)の視点

成功のトライアングル(オールマイティ)

『成功しているところほど、従業員満足を高めようとする意識がカルチャーとして根付いている』

という考え方がベースにあるので、まずは働きやすい職場づくりが成功に向けての土台になると思っているからです。そのためのヒントをディスカッションで抽出して、ある程度ポイントになるキーワードをこちらで整理して、働きやすい職場づくりプロジェクトへとつなげていきたいと・・・

特に、あらたな歴史がスタートするタイミングであり、新しい組織へと変化&進化していきたいステージだからこそ、チャレンジする意味も大きいと思いますね。

昨日も園長先生と幹部のメンバーにお伝えしたのですが、ディスカッションをやった後が大切で、継続的にそこで整理された内容が、変化、進化してブラッシュアップされて、その変化や進化を皆が体感し続けること。そのプロセス管理こそ・・・

『くすぶりを希望と期待に変えて維持していく』

ということですよね。だからこの活動は組織全体の重要なプロジェクトという位置づけにしていただいて、月1回は、プロジェクトメンバーが集まって、進捗シェアとブラッシュアップへの具体的アイデアだしを行うことを仕組み化していただくこともお伝えしてきました。

くすぶりはどんな人にも存在します。そして、くすぶりがそのまま改善されないとモチベーションもさがり、前向きな行動に制限がかかります。だからこそ、くすぶりをそのままにせず、ちょっとした希望や期待に転換していくマネジメントが組織を活性化させるベースとなるわけです。

『ちゃんと聞いてくれた』

『わかってくれた』

『自分の意見が受け入れられてカタチになった』

『すぐには変わらないかもしれないけれど、少しずつ対応してくれている』

こんな感覚や気持ちが増えれば増えるほど、人のくすぶりは希望と期待に転換されていくはずです。

そんな状態になっている人は、まわりからのアドバイスや指導を前向きのスイッチで捉えることができます。でも、くすぶり続けている人へ同じアドバイスや指導をしても、そこに前向きなスイッチはありません。そして、主体性のスイッチも入らないので、意見もでないし、積極的にも動かない。

今自分が身を置いている組織やチームに希望と期待を持って働いている人が多いか、くすぶりが改善されず、希望と期待をかなり失って諦めながら働いている人が多いか。

それは、その組織が創り出すあらゆる部分の品質に大きな差を生む根源的なものだと思っています。品質に差があるからこそもちろん成果や業績にも差がでてくる。

このようなことを昨日のコンサルティング現場で、園長先生と幹部クラスの先生にレクチャーさせていただいたので、その内容を整理しておこうかなと思って書いてみました。

もっと大きな枠で考えると、世の中のくすぶっている人達が、未来への希望と期待にマインド転換できていったら、その組織、地域、社会全体の大きなパワーアップにつながるだろうなと思いますね。

弊社CLPとしてもその架け橋になれるようにこれからもあらゆる人たちとのご縁を大切に精進していけたらと思います。

お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。

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