居場所は見つかるのではなく、自分でつくりだすもの ~大人の役割と環境適応能力~
- 2024.07.17
- MESSAGESHONAN CROSS LIFEPERSONAL COACHING
先日、知り合いの社長があるブログを読んで心に残ったという言葉を伝えてくれました。
『”大人の役割とは、居場所をつくることである”』
自分の居場所、そしてまわりの人の居場所・・・
確かに、共感する内容だったので、自分の見解も整理しておこうと思います。
世の中には、自分の居場所をつくる力がある人とその力が欠如している人が存在していると感じています。
最近の社会現象の事例でいえば、社会人になって多くの人が1年以内に離職してしまったり、世の中に順応できずにニートや引きこもりになる人が増えてしまったり・・・
もちろん、いろいろな要因が複合的に重なってそうなってしまうのでしょうが、個人的には、その背景にある根源的な原因は、
『自分の居場所をつくる力の欠如』
ではないのかなと思うのです。
”居場所をつくる力”はいくつかの力が合わさった総合力だと思うのですが、自分の中では以下のような力がそれらを構成しているものだと考えています。
①状況察知能力(環境察知能力)
②ニーズ察知能力
③環境適応能力
④社会人基礎能力(基礎ポテンシャル)
⑤コミュニケーション能力
⑥自己分析能力
この書き方だとちょっと堅苦しいかもしれませんが、①②③に関して、簡単に言えば、まずは、自分が置かれている立場や環境や状況を正しく理解する力が前提になるということですよね。生きていれば、いろいろな立場や状況が日々訪れますから、その場その場で判断の連続になるわけです。
例えば、家庭での立場、職場やチーム内での立場、友達の中での立場・・・
これらの立場や状況が目まぐるしく時間の中で変化していきます。居場所をつくる力がある人間は、あらゆる立場や状況の変化に合わせてフレキシブルに順応する力を持っていますよね。ある意味変幻自在に自分を操ることができる。
そこで重要なのは、目の前にいる相手や家族や上司や部下やお客様や彼氏や彼女が自分に求めていること、つまり、まわりにいる人達のニーズを的確に察知できるかどうか??
そのニーズを察知して、的確に順応する力があれば、その人は、そこにいる相手や組織やチームにとって必要とされる存在と認識されていくでしょう。
それが、環境適応能力ではないでしょうか。
つまり、環境適応できないと”自分の居場所はつくれない”とも言えます。
自分の居場所が見つからないで四苦八苦している人と接したり、相談にのったりしているときに、共通して感じるのは、環境適応していく姿勢が欠如しているな~ということ。
自分の都合に合わせて、相手が変わってくれるのを待っている言動や行動が多いと感じることもしばしばですし、あらゆることに対して他人依存度が高い傾向があるように感じます。
『居場所は見つかるのではなく、自分でつくりだすもの』
そういうスイッチへ切り替わらない限り、本当に自分にとって大切な居場所はつくれないでしょう。
話を、環境適応能力に戻しますが・・・
その力のベースになっているものが、④⑤⑥ということになると考えています。
まずは、社会人として基礎能力は身につけていく必要はあるでしょう。それを細かく解説としていると長くなるので省略しますが、特に環境適応していく上で重要な力はまさしく・・・
『コミュニケーション能力』 でしょうね。
同じ年代、同じ職業、同じ価値観の人達だけと関われたらそんなに難しくはないのでしょうが、社会や人生はそういかないもので、あらゆる年代のあらゆる仕事をしているあらゆる考え方を持った人達と上手に賢く付き合う力が必要になります。
それから目を背けながら生きて行くのは、その人次第ですが、そこに向き合って課題をクリアしていくプロセスが、本当の居場所をつくっていくプロセスだと、私は思っています。
コンサルティング現場においてたくさんの相談やアドバイスをさせてもらっていますが・・・
『そこに発生している問題や課題のほとんどは、このような異なる年齢、職種、考え方を持った人達の中で行われているコミュニケーションが互いにうまく進められていないことに起因していることが多い』
と実感しています。
自分の中では、
★聞く力(聞きだす力=ニーズ察知能力)
★整理する力(情報やニーズを整理整頓したり、要約したりできる力)
★伝える力(相手に合わせて伝え方をアレンジできる力)
そんな力を鍛えていくことで、コミュニケーション能力が高まっていくと考えています。
そして、最後に”自己分析能力”となりますが、自分の力やポジションを正しく把握していないと、その場に応じた最適な対応はできないということです。
例えば、グループやチームで何かをしようとするとき、自己分析能力と環境適応能力がともに高いレベルの人は、グループやチームメンバーの様々な特徴や力を理解すると同時に、自分の力をこの中でどうやって発揮すると最も効果的かを判断した上で最適なポジションを発掘し、そこにフォーカスして自分の役割に徹することができます。
リーダーが不在だなと思うときは、自分がリーダーにもなれる、リーダーを担える人材がいるときは、裏方で自分が得意なことでチームに貢献できる。
これらの力がある人間は、ある意味どんな状況や場面やメンバーの中でも自分の居場所をつくることができるのだと思います。そんな簡単なことではないと思いますが、
『自分を磨き続けない限り、限られた居場所しか与えられないし、自分の都合の良い居場所がいつか自動的に見つかると思っているとしたら、その時間の中で、自分が思い描いている未来とは逆に、自分の居場所を失っていくのでしょう。』
そして、更にもう一歩進化したステージを目指すのであれば、
『自分以外の人達の居場所をつくる!!』
それも大切な大人の役割なんだと思いますね。そして、本当に重要な人はそれを成し遂げている人達なんだと思いますね。企業経営なども、そこでやりがいを持って働くことができている人材が多ければ多いほど、その経営者は、自分以外の人たちの居場所づくりに多いに貢献しているということになりますよね。地域の人たちを巻き込んで、大きなプロジェクトを動かしているような中心人物も同様のことが言えるでしょう。
自分も経営者として、そのステージでの付加価値を作りだせるように更に頑張らないといけないとあらためて考えさせられました。
今日は、”居場所をつくる”という言葉に関する自分の見解を整理させていただきました。
お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです