夢中と内発的動機が成長を加速させる ~環境を用意して見守り、自分の力で乗り越えさせる~
先週末の土曜日は、息子のサッカーチームの試合でした。
コーチとしてチームの引率&試合の審判が重なりますので、なんだかバタバタしていて落ち着かないわけですが、先週は2試合とも勝利。
子ども達の段階的な成長が見られてうれしい反面、サッカーをそれなりに長くやってきた自分の視点で見ると、まだまだ伸びしろはたくさんあるかなというのが本音のところ。
個人的には、サッカー選手としてのスキルや能力を因数分解すると、
①走れる(動ける)
②蹴れる(シュート&パス)
③運べる(ドリブル)
④止められる(トラップ)
⑤考えられる(判断力)
まあこの5つの要素の総合力になるのかなと思っていまして、そういう意味で、今のチームメンバーを見ると、すべての要素におけるレベルアップが必要だなと。
もちろんいくつかの要素では素晴らしい能力がある選手もいるわけですが、小学低学年のステージでは個人的に、基本スキルや能力の全体的な底上げが大切であり、そのベースがしっかりしているからこその、その後の伸びしろにつながるという思いがありますね。
もう少し広い意味で”ベースメント教育”という視点でブログ記事を書いたことがあるので、以下にリンクをしてきます。お時間ある方はご一読下さい。
先週の試合が終わって、コーチとしての総括を話した後・・・
『明日の天気が雨予報だから、今日試合もやったし、明日は休みにしようか?』と子ども達に伝えたら・・・『え~・・・練習やりたい!!』という言葉が。
『明日練習やりたい人は手を上げて!!』と言ったらほとんどのメンバーが手を上げてくれました。
もちろん試合も勝ったので気分が良いということもあるのでしょうが、もっとうまくなりたい、強くなりたいという思いが全体で共有されているシーンに、コーチとしても嬉しい気持ち。
残念ながら、実際には雨がけっこう激しかったので、練習は中止になりましたが(笑)
今回の大会ではチームのコーチ陣が優秀選手を選定して、その子に大会主催者から個人メダルが授与されました。今回優秀選手に選ばれたメンバーは、大会を通じてかなりの得点をとってくれましたし、ハットトリックをした試合もありました。まさにこの大会で覚醒したのかなと思えるほどの活躍。
実は、その覚醒の裏には彼なりの努力がちゃんとありまして、最近は学校に行く前に密かに朝練をしているらしいのです。ご近所をドリブルで一周して、自分で決めた練習をしてから学校に行くという毎日。彼の今のマインドと時間の使い方が成長を加速させていることは間違いないと思います。
そうやって成長が加速するときのキーポイントは・・・
『夢中と内発的動機』
サッカーに夢中になって、誰からやれと言われたわけではなく、自分で朝練をやると内発的動機で行動や努力ができている時間が増えると、その子の成長は加速します。
『好きなことの中に自分なりに未来のゴールを決めて、
それに夢中になれている時に人は一番成長することができる。』
そういうモードに入っているので、全体で練習をしているときも、ちょっとふざけていたり、おしゃべりしたりしているメンバーに対して、注意をするような言動も垣間見れるようになりました。
更に副次的な効果にもつながって、その彼と一番仲が良い我が家の息子は、もちろん自分が優秀選手になれなかった現状を悔しく思ったのか、自分で『朝練をやる!!』と言い出して、先週くらいから朝5時半に起きて頑張っています。もちろん私も一緒に起きて付き合っています。
そうやって、『夢中と内発的動機』がベースになったメンバーが増えれば増えるほど、チームは成長すると思いますし、コーチとしてはそのモードに全体を導くことが大切だと思って、子ども達と関わっています。自分としては、
『夢中になれたり、内発的動機で行動をしたくなる環境を用意して見守ること』
が一番大切だと思っています。
環境とは今回で言えば”努力したら試合で勝てたという体感”を用意してあげるということ。そこに導きながら、見守りながら賞賛され認められるチャンスを提供してあげるということ。
でも、本当の意味で多くの人達から賞賛されて認められるためには、日々の練習やトレーニングや積み上げが大切であり、根気よくモチベーションキープできるように付き合ってあげて、アドバイスしてあげて、一緒に考えてあげて・・・
指示を出してあれやれこれやれというのは簡単ですが・・・
『その子が自分の力で乗り越えたり、気づいたりする瞬間まで導いてあげられるか。』
それが”見守る”ということではないでしょうか。
だって、脳科学的には子どもの脳内のシナプスがつながる瞬間、つまり脳が活性化して成長する瞬間は『新しい体験や知識を手に入れた瞬間』と言われていますからね。だから、指示されてやった瞬間でもなければ、褒められた瞬間でもないわけで。
自分もまさに、サッカーというスポーツとの出会いが自分の今を形成するベースとしてすごく影響しているのです。そのエピソードを書いたブログ記事があるので以下に貼りつけておきます。お時間ある方はぜひご一読下さい。
この雑賀少年のエピソードですが、自分がBチームに落ちたとき、両親はとくに叱ったり、慰めたりということはしなかったように思います。
だけど・・・
次の日には庭にゴールができていて、ナイター付きの簡易練習場となり次の日から両親と一緒に毎朝のランニング、夕方から夜までの練習がスタートしたのです。
まあ、それが『環境を用意して見守るということなんだよ』と自分は自分の両親に教えられたと思っています。だから、今、息子の朝練に自分もお付き合いしているわけです。
そして、1年の積み重ねが、MVP&得点王という成長を実感できる成果につながり、賞賛され認められる瞬間を用意してくれました。
そんな瞬間を表彰式の会場にいながら、噛みしめている両親。そこでも、お褒めの言葉を直接自分に言ってくれたかどうかは正直記憶にありません・・・
褒めてくれるという行為よりもこの体感と瞬間のほうが自分にとっては何十倍も心に刻まれているものですね。自分のとても重要なベースづくりになっていることは確かです。
それは、両親がちゃんと見守ってくれて付き添ってくれたから実現させることができたわけです。ついでに写真の妹もいつも日曜日はお兄ちゃんのサッカーに付き合ってくれました。
『夢中になれたり、内発的動機で行動をしたくなる環境を用意して見守ること』
その結果として、自分の頑張りや努力が賞賛され認められる瞬間を体感させてあげること。
自分も子ども達やチームのメンバーたちには、
『何事も前向きに自信を持ってチャレンジできる人間』
『内発的動機で主体的に問題を解決していける人間』
になってほしいなと思っているので、今後も上手に見守っていけたらと思っています。
今日も夕方からチームメンバーが自主的に声をかけて集まって練習をするそうです。そういう時間は成長につながる時間ですよね。
お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。