渇望する自分の未来があるかないか?~主体性・自主性・積極性の根源的スイッチ~
- 2023.11.17
- PERSONAL COACHINGMESSAGE
職業柄、幼児教育や人材育成の現場に身を置いている時間が多いのですが・・・
そこでは、よく『主体性が大切だ』『主体性を持って行動をしましょう』なんてフレーズをよく耳にします。主体性や自主性や積極性というフレーズがあって、それらが大切であることを、子ども達や若い社会人の方々はまわりの人たちから言い聞かされることが多い。
『誰かに注意されてから、指示されてから動くのではなく、自分で考えて判断して行動をしたほうがいいよ』
ということなのでしょうが、主体性や自主性や積極性をもって行動している人もいれば、まったくそれが伝わってこない人がいる。そんな人たちが集まって構成されているのが社会というもの。
そこで今回、自分なりに考えてみたことは、
『主体性や自主性や積極性のスイッチとは何なのか?』ということ。
言われていることはもちろんわかっているけれど、なんだかスイッチが入らない人と、そんなこと言われなくとももともとスイッチオンな人は何が違うのかを考えてみると・・・
『渇望する未来があるかないか』
そこに尽きるのかなと思います。
渇望するとは、強く望むとか切実に希望するという意味がありますが、その人の頭と心の中にある渇望している未来や夢のレベル差がスイッチオンとオフの根源的で本質的な差異を生み出していると思うのです。
以前、ビジネスパートナーの方と食事をしていたときに、その人がちょっとショックなことがあってと話を切り出しました。
「どんなショックですか?」と私がたずねると、
小学校の学校だよりに子ども達に「将来の夢は何ですか?」という質問をしてそれぞれの回答が書いてあるページがあったんですけれど、そこに・・・
「今はわかりません」
「まだ考えていません」
「まだ決まっていません」
といったような回答をした子ども達がかなりたくさんいたという話。
確かにショッキングな実情。
自分達が小学生だったときに、自分の夢を聞かれてそのような回答をしたかどうか?いや、多くの子ども達が、そのとき思った夢をそれぞれ回答していたと思います。確か、その当時であれば、自分は”サッカー選手”と書いていた記憶がありますかね。
すべての小学校で同じような現象になっているとも思いませんが、少なくともその小学校においては、そのような実態があるようです。これって、とてもショックなことであり、多くの大人たちが問題視すべきことではないでしょうか。
『子ども達が渇望するような未来のイメージを我々が提示できていない』
1つ自分が思ったのは、子ども達が夢を問われたときに、それは何かの仕事や職業を選択するということだと少しずれた解釈をしているのではないかということ。
夢って、特に子どもの頃なんて、ぜんぜん漠然としていていいと思うのです。例えば・・・世界一周したい、お金持ちになりたい、スポーツ選手になりたいとか。
でも、今の小学生って、良くも悪くも多くの情報が散乱している世の中を観察しながら、リアルに考えすぎちゃっているんじゃないかなと・・・
もしくは最初から大きな夢を持つことになんだかちょっとしたあきらめ気分があるんじゃないか。そんなの無理だと言われることを恐れて、思っていても書くことをためらってしまうのではないか。
これはあくまでも自分の仮説ではありますが、もしそうだとしたら、子ども達のそんな収縮したマインドを、もっと大きく広げてあげる必要があるのではないでしょうか。問われたときに、どんな夢でもいいからそれを笑顔で語ってくれる子ども達であってほしいですから。
今、世の中の第一線で活躍している人達の事例で言えば、小学生の頃に強烈なマイドリームと渇望する未来へのこだわりを持っていた人が多いのは有名な話。
例えば、イチロー選手、石川遼選手、本田圭佑選手・・・
かつてのブログ記事にその内容を紹介していますので、以下にリンクしておきますね。
『渇望する未来と夢を強く持っているというのは、主体性や自主性や積極性のスイッチになることをこの人たちが証明している』
のかなと思うわけです。
『渇望する未来を持つ=時間の使い方が研ぎ澄まされていく』
という公式が成立しているような気がします。
修行やトレーニングにストイックに継続的に取り組むことができるのも、本人にとって渇望する未来を明確に思い描けているからなんだと思います。
ただ、こういう事例をお伝えすると、未来や夢のサイズが大きすぎてそこまで強く明確には思い描けないとか、ごく一部の有名な人の話だから自分には無理だ・・・と思ってしまう人もいるのかなと。
そういう場合は時間軸を少々小さく刻んでいただいて・・・
10年後とか5年後とか1年後とか半年後とか1か月後とか1週間後、明日という単位で、自分の未来をイメージするほうがわかりやすいかなと。
渇望する未来のサイズ感はそれぞれで調整すればいいわけで、大切なことは・・・
渇望する未来の実現に向けて、自分がワクワクできているか
そこに向かって前向きなスイッチを感じる時間にできているか
ということでしょう。
逆に言えば、こうなりたい、こうしたいという思いがなく、なんだか日々の惰性で過ごしている時間は、まったく渇望する未来が思い描けていない状態。そうなったら、主体性や自主性や積極性とは無縁の生活になっていく。その状態に陥ると、やらされている感覚が強いので、誰かに何かに文句を言うことを繰り返すという悪循環ライフ。
だからこそ、『渇望する未来があるかないか』は人生にとってすごく大切なのかなと思うのです。
リーダーシップやチームマネジメントの視点で言えば、部下や後輩の人たちに、『もっと積極的に・・・』『もっと主体的に自主性をもって・・・』と伝えるだけでは、それは実現しにくいということ。その人にとっての渇望する未来が不明確なことが、スイッチオフの要因になっているわけですから、寄り添いながら、相談に乗りながら、サイズ感を調整しながら、こうなりたい、こうしたいという未来のイメージを強く渇望できて、自分の成し遂げる未来にワクワクできるステージに突入するまで導いてあげることが大切ではないでしょうか。
まあ、弊社CLPでは、パーソナルコーチング事業も行っていますが、基本的には上記のようなプロセスサポートもよくあるパターンではあります。
もう1点付け加えるとすれば、トップマネジメントの視点で言えば・・・
『この会社や組織の一員であれば、自分が渇望する未来を実現できるかもしれない!!』
と社員やメンバーに思わせるような環境を創造していくことも大切ですよね。
私はこれを・・・
『環境プロデュース力』と名付けて、トップ対象の研修会や勉強会で、トップマネジメントの1つの定義としてお伝えしています。
このようなマネジメントが機能していれば、いちいち言葉で伝えなくても、かってに主体性も自主性も積極性もスイッチオンになっていく。
人間の心理として、誰かに言われてスイッチを入れるのではなく、自分のスイッチは自分で入れたほうが、ナチュラルでしょうから。
そんなわけで、『主体性や自主性や積極性のスイッチとは何なのか?』の答えは、
『渇望する未来があるかないか』
という自分なりの仮説をお伝えしてみました。
渇望する未来がある人の話を聞くと、その受け手もエネルギーと刺激をもらえるでしょうから、そこからまた、主体性や自主性や積極性が生まれる発信拠点にもなりえますよね。渇望する自分の未来があることはいろいろな意味で多くの人をより良い方向に導いてくれると思いますね。
お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。
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