ビジョン&コンセプトをぶらさず、時代に合わせて進化させる ~スターバックスから学べること~
- 2023.08.30
- MESSAGE園トータルサポートCONSULTING
もうかれこれ15年以上継続的にコンサルティングサポートをしている認定こども園。
月曜日に訪問した際に、今回メインで打ち合わせをするテーマが、HPのリクルートページとリクルートパンフレットのリニューアルについて。HP制作&パンフレット制作についても弊社CLPが全面的に対応していますので、今やトータルブランディングのステージでのお手伝いになっています。
実は、既存のHPとパンフレットに写真やインタビューで掲載されている先生達の半分以上が退職してしまったので・・・これは、先生達のビジュアル掲載をすると時間経過のプロセスでよくあるケースではあります。やはりそこに働いていない先生が掲載されているのはリアリティに欠けるので・・・
そして、こちらのこども園のリクルートツール制作の参考モデルにさせていただいているのは『スターバックス』なんですよね~
スターバックスのリクルートサイトを以下にリンクさせていただきます。
https://www.starbucks.co.jp/recruit/
まあ1つの園でここまでのレベルでリクルートサイトを構築できているところはないと思いますが、メッセージやビジュアルなどは多いに参考になりますからね。こども園でもスターバックスでアルバイトしていた学生がターゲットになるなんてこともあり得ますので。そこと比較したときに魅力ややりがいの伝達力ででスターバックスを凌駕できる園があるのか否か? 今のところなかなか存在しないでしょう。
スターバックスと言えば、日本で一番店舗数が多いカフェブランドだと思うのですが、当然利用客も多いですし、かつ、そこで働きたいと思う人も多いような気がしています。つまり、お客様も従業員、アルバイトスタッフも居心地が良いと感じる空間がそこにはある。
お店に入るとなんとなくそんな雰囲気を感じとることができます。なぜ、居心地が良いと感じるのか?
スターバックスが事業コンセプトの核として採用しているのが「サードプレイス発想」であることは有名ですよね。
そもそも「サードプレイス」という概念は、アメリカの社会学者レイ・オールデンバーグによって提唱されたものです。
スターバックスが日本に進出してきたことで、その概念が日本の中で知られるようになっていったことは間違いないでしょう。
ファーストプレイス(家)とセカンドプレイス(職場)の中間を結ぶ存在としての機能を追求し続け、ハード(店舗デザイン)ソフト(人材育成)の両面においてその思いをカタチにしてきた存在・・・それこそがそれまで世の中に存在していなかった唯一無二のスターバックススタイルですよね!!
コーヒーを飲むために行く・・・という目的だけではなく、居心地の良い空間で気持よくミーティングや打ち合わせをしたいというニーズに対しての”サードプレイス”をその空間は見事に提供してくれています。
スターバックスで時間を過ごしてるときにふとまわりを見渡すと・・・
静かに読書をしている人
パソコンをたたいて仕事をしている人
仲間と語り合っている人
壁を見ながら物思いにふけている人 などなど
まさに、コーヒーを飲むために行くという場所の価値よりも大きいそれぞれのサードプレイスとして活用している人が多く存在していることに気づきます。
コーヒーももちろん美味しいことは大切ですが、それはスターバックスが提供しているサービス&商品の一部分であり、それ以外の付加価値が多くの人を引き付けているということになるでしょう。
『人々はサードプレイス自体に本質的には何を求めているのか?』
なんてことを考えてみると、自分なりの見解では、以下の2つを求めているのではないかと思うのです。
①切り替えのスイッチやリセット
②自分の状態をより良くするための時間・空間・環境
①②も近似したことかもしれませんが、家庭や職場において感じている”何か”もしくはマンネリなどから、頭や心のスイッチを切り替えたりリセットしたりする場所(プレイス)を求めている人が多いと推察することができます。
脳科学を通じて学んだことをそこに付け加えてみると、
★うまくいく人は、”脳の7つのスイッチ”を効果的に操っている
(脳のパフォーマンスがどうやったらアップするかを知っている)
・リラックスのスイッチ
・言葉のスイッチ
・体のスイッチ
・イメージのスイッチ
・メロディのスイッチ
・アロマのスイッチ
・前進のスイッチ
この7つのスイッチが自然と入るように仕組まれている空間こそ、上記の①②のニーズを高いレベルで満たす場所(プレイス)になるということ。
ハード面、ソフト面の両面を活用して、7つのスイッチが自然と入る場所を創造していけるかが、人が集める場所の1つのポイントになるのかもしれません。
どんな空間演出によって人はよりリラックスできるのか
どんな動きや体勢になると人はよりリラックスできるのか
店員やスタッフがどんな言葉かけをするとプラスのスイッチが入るのか
メニューや案内にどんな言葉を使うとそれを読んだ人がプラスのイメージを持つのか
どんなBGM、どんな音色があることで人はプラスのスイッチが入るのか
どんな香りをどの場面で嗅いでもらうことで、その人に必要なスイッチを入れるのか
それらを通じて、その場所に自分がいるだけで、なんだか前進している気分だったりこれから頑張れそうな気分にさせられるか・・・
そんなポイントを今の自分の仕事やお店や組織に照らし合わせてみると進化の余地が見えてくると思いますね~
そもそも、コーヒーの香り自体が、人の気持ちを落ちるつかせる効果があることが実証されているそうです。故に人は自分の気持ちを少し落ち着かせたいときにコーヒーを飲んだり、カフェで休憩したりするのは本能的にやっていることなのでしょう。
スターバックスがこのような成功を築いてきた原点は、
そのビジョン
『世界中の人々をつなげていきたい』
そしてCEOであるハワード・シュルツの言葉に集約されていると言えます。
『私たちはコーヒービジネスを展開しているのではないのです。
私たちはコーヒーを提供するピープルビジネスを展開しているのです』
あくまでもコーヒーが中心にあるわけではないということ・・・
あるエピソードを聞いたことがある(本当かどうかは不明)のですが、アメリカの実証実験で、マクドナルドとスターバックスのコーヒーを飲み比べてどちらが美味しいか?と聞いたら、マクドナルドのほうが美味しいと回答した人が多かったという結果に。
しかし、それを聞いたスターバックスの幹部はぜんぜん気にしなかったらしいですね。だってコーヒービジネスを展開している会社ではないので・・・ということで。
それは、大事にしているコンセプトが明確であり、何があろうがぶれないということ。
自分にとっての『良質なスイッチ』が入る場所やきっかけを人々は常に求めていると思うのです。だから、これからも今までも、基本的には、ピープルビジネスを真剣に進化させていく人と組織が成功すると考えています。
幼稚園もこども園も保育園もピープルビジネスと言えばそうだと思いますので・・・
『子ども達にはもちろんのこと、その保護者(父親、母親)、そして地域の方々(学生やお年寄りなど)が集い、『良質なスイッチ』が入るきっかけや仕掛けを提供できる場所づくりに向けた改革がこれからの進化の方向性』
だと私は考えています。
それを、弊社CLPとしては未来のコンセプトワードとして
『地域の教育総合コミュニティ施設化』とお伝えしています。
そのコンセプトをベースに考えていけば、懲り溜まった今までの延長線での枠組みではない発想でやるべき視点が広がっていくと思いますよ。弊社のコンサルティング先の幼稚園や保育園やこども園にはそのような方向軸で進化していけるようなアプローチや改革へのアドバイスをさせてもらっています。
本日は、スターバックスの魅力と”居心地の良さ”についてちょっと簡単に自分が思うことを整理してみました。あらためて・・・
『ビジョン&コンセプトをぶらさず、時代に合わせて進化させる』
ということが大事なんだろうなと思いますね。
お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。