自己決定力が将来伸びる子のベースとなる!!~自分の人生をコントロールする力~
- 2023.03.13
- MESSAGEPERSONAL COACHING
だいぶ春らしい季節になってきましたね。明後日で我が子も幼稚園を卒園します。
どんな親であっても、自分の子どもの健やかな成長を望んでいると思うのですが・・・
『子どもたちが将来に向けてより良く成長していくために必要な力は何か?』
そんな質問をされたら皆さんはどんな答えをするでしょうか?
十人十色の回答があっていいとは思うのですが、幼児教育の現場に関わる時間が多い人間として、各種の専門家からのインプットも大事にしていますので、そんなインプットの中から今日は1つの見解をご紹介できればと思います。
『学力の経済学』の著書で有名な教育経済学者の中室牧子さんがおっしゃっていたことからの引用となりますが、
将来的に伸びる子の最大ポイントは何か?
『自己決定力』
これに関しては、幼児教育の現場で多くの子どもたちや、社会の現場で多くの人たちのアドバイスをしてきた経験値としても自分自身も共感度が高いポイントです。
人の人生は常に自己決定の連続で時間が過ぎていきます。
子どもで言えば、どのおもちゃで遊ぼうか?今日は本を読もうか、それとも園庭でおにごっこをしようか?今日は誰と遊ぼうか?何を食べようか?
大人になれば、どの職業に就こうか?どの会社に就職しようか?転職しようか?どんな人と時間を過ごそうか?誰とお付き合いしようか?誰と結婚しようか?・・・
すべては、基本的に自己決定しているはず??
でも、ここ十数年間くらいでしょうか、コンサルティングやコーチングの仕事現場でたくさんの人に触れ合う中で少し感じていることは・・・
『自己決定を他者決定に委ねている人が増えているのではないか?』ということ。
弊社CLPとしては、世の中のトップ&リーダーの育成サポートもしているわけですが、少なくとも、自分で考えられない、自分で判断できない、自分で行動できない人は、世の中やそのチームのリーダーになることは難しい。
そんな状況の中で日々感じていることは、『真のリーダーの不足感』
それは、そもそも将来伸びる子どもの最大のポイントとなる力である『自己決定力』を培うステージでそれを身に着ける環境が崩れているからなのではないか?という仮説が自分の中にはありますかね。
とてもシンプルに考えれば、自己決定力を身に着けるためには・・・
『子ども自身が自分で考えて、自分で物事を決める経験を積み重ねる』
ことがが重要プロセスになる。それが、適時適正にその子の成長プロセスで与えられることによって自己決定力が段階的に身についていく。
しかし、そういう環境が排除されてしまっている子どもたちも多くなっているのではないかという仮説。
幼稚園や教育現場などで保護者向けの講演会をさせていただくときには、『ヘリコプターペアレンツ』というお話をすることがあります。
自分の子どもたち対して、過度な心配と期待をするあまり、過保護すぎる親となり、すべてをお膳立てしようとする親。子どものためにと思ってやっているかもしれませんが、それは何をしていることになるかと言えば・・・
『子ども自身が自分で考えて、自分で物事を決める経験を奪い取っている』
ということになりますかね。つまり、子どものためと思ってやっていることが、子どもが将来伸びるための大切な自己決定力を身に着けるチャンスを奪っていることになってしまう。しかし、そんなことをしているとは、本人は微塵も気づいていない。
このようなパターンは、個人差やレベル差はあれど身につまされる方もいらっしゃるのかなと。
では、どのようなアプローチや環境づくりをしていくと自己決定力の育成に効果的なのか?自分なりに少し整理してみると以下のようなポイントを意識しながら、子ども達と接することが大事かなと思います。
①選択肢の提供(小さな決断の機会提供)
②判断の前提条件の提供
③コーチングスタイルの導入(余白の匙加減)
④経験、体験を通じた意味づけのサポート
選択肢の提供については、いきなりゼロからすべて考えるのは難しいでしょうから、いくつかの選択肢をこちらが用意してあげて、本人にセレクトさせるという方法。このセレクトするという行為自体が、自分で考えて決めるそのものですよね。力を身に着けていく初期ステージは、選択肢を提供して考えやすく、判断しやすくしてあげることがよいのかなと思います。つまり、初期ステージは・・・
『小さな決断の機会を提供してあげる』というのがポイントになるでしょう。
判断の前提条件の提供については、人は成長するにつれて、さまざまな判断をする機会がもたらされるわけですが、何かを判断するときに、無条件という場合はほとんど存在しませんよね。なんらかの条件があって、制約があって、背景の違いなどがあって、その都度、その前提条件を踏まえて、的確な判断をしていかなければならない。だからこそ、そのトレーニングをサポートしていくという意味です。
最初は、それらの条件や制約や背景なんてわかりませんから、考えて判断する上での前提条件をうまく伝えてあげると、考え方や判断の仕方にリアリティーがでてくるわけです。
コーチングスタイルの導入については、基本的に”その答えは本人の中にある”というのが大前提。あくまでもその考えや判断をする上でヒントになるようなことは伝えるが、答えそのものを教え伝えるということなしない。ある意味、我慢が必要になるでしょう。
もちろん、考えやすく判断しやすくするためのサポートはしますが、それを私は『余白の匙加減(さじかげん)』という表現でお伝えしています。
『1を伝えて10考えて判断できる子どももいれば、1だけでは脳がフリーズしてしまう子どももいる』
というのが現実かと。だとしたら、その子に合わせて、ヒントになる情報や知見を伝える量をうまく調整してあげることが大切。最終的には、何のヒントもなく自分で考えて判断できるようになるのが余白100%、でもそれまでは、余白を10%とか30%とか50%など調整してあげる感覚でしょうか。
それに加えて、コーチングの黄金フレーズが・・・
『あなたは(〇〇ちゃんは)、どう思うの?どうしたいの?』
このフレーズによって、脳が考え出す、判断するモードのスイッチが入る。これを習慣化していくのが、自分で考えて、自分で判断できる子どもを育てるとても重要な流れではないでしょうか。
そして最後は、経験、体験を通じた意味づけのサポートについてですが、子どもも大人も経験や体験から学んでいくわけですが、生きていれば、うまくいくときも、うまくいかないときもありますよね。
そこで経験や体験を次に活かすというプロセスを自然と身に着けてもらうために、我々ができることは、
『その経験や体験をそのままにさせない』ということではないでしょうか。
何かを経験、体験したときに何を感じたのか?だからその経験と体験は自分にとって何に気付く時間になったのか?次にどうしたらもっとうまくいくのか?次にどうしたらこんな気持ちにならなくて済むのか?そんな会話を自然と子どもとしてあげることで、その子が経験したこと、体験したことが、次の自分の考え方や判断のレベルをブラッシュアップするための教材になると思うのです。
我々大人や親のちょっとした一言や問いかけで変化と進化を与えることができるのではないでしょうか。
『自己決定力は、人の幸福感との連鎖もある』そうです。
それはそうで、他人や世間に振り回されるのではなく、自分の人生を自分でコントロールできている実感があればあるほど、人は幸福感が高くなるでしょうからね。
日本がより良く成長していくためにも、そして真のリーダーがたくさん育っていくためにも、幼少期からの自己決定力の育成サポートはとても重要かと思います。
今日は、将来伸びる子どものベースとなる力、『自己決定力』について、自分なりの見解を整理してみました。
お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。
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詳細は以下からご確認ください。(残席ございます)