決断するための準備とただそこにいるための準備? ~期待はずれリーダーにならないために~
- 2023.02.15
- MESSAGECONSULTINGPERSONAL COACHING
今日は、私が組織内で未来創造戦略室の室長というポジションでサポートしている会社の幹部たちとの戦略会議(ZOOM)でした。
そんな日々の仕事を通じて、いろいろな人に接する機会が多いわけですが、最近感じていることは、『決断できない人が多い』ということ。
トップや幹部やリーダー的な立場になればなるほど、日々自分で決断しなければならない事案が多くなっていくはずです。それは、責任のレベルがあがっていくということでもあります。
立場の違いで、求められることは変化していくのですが、その立場において期待されている役割を頭では理解していても、行動や実践レベルで具現化できず、その結果として、組織内で燻ってしまう人がちらほら・・・
こちらは、10年前くらいにに私が考案した『責任&主体性・自由度マトリックス』というものです。
簡単に言うと、経験値と力がまだないとき、つまり責任をとれないレベルの未熟な段階では、自由や主体性というよりも決められたことをきっちり正確にやることが求められる。
キャリアが上がって、実力がつき責任のとれる立場になってきたらまわりから言われる前に、自分で主体的に行動をして、上司やトップから細かい指摘やアドバイスをうけなくともよい結果を出すことが求められる。
もうちょっと詳しく書いている記事があるので、ご興味ある人は以下をクリックしてご覧ください。
そして、けっこうコンサルティング現場で相談されるケースが多いのが、組織内の『期待外れリーダー』に対するトップの嘆きと不満と憤り。もっとこうしてほしいのに、あ~してほしいのに・・・
いろいろな要因や原因があって、そうなっているとは思うのですが、自分自身で最近、ある程度わかってきたことは、
カリスマ的なトップで、すべての決断を自分でしなければ気が済まないような人が君臨していたときの、幹部やリーダークラスの人は、なかなか、決断する力が培われていないということですね。
判断はすべてトップがやることだという認識や実体験の中で時を過ごしてきた人ほど、その傾向が強くなります。
それは当然ですよね。だって、自分の意見や考えなんて求められてこなかったのですから・・・その期間や時間が長ければ長いほどその感覚がその人に根付いていってしまうということです。なんだかいつも頭の中に霧がかかっているような感じでしょうか・・・
だから、トップが変わり、スタイルが変わって、その幹部やリーダーに主体的にゴールを設定して結果を出してほしいと思っても、残念ながらいきなりそんなことできるわけがないんです。
役割とその人の力とのミスマッチが生じているにもかかわらず、トップや上司は、その立場にいるんだからと期待しすぎてしまう・・・最近、そんな状況で次のステージへと進化が停滞ぎみの組織やチームの活性化サポートのコンサルティングオーダーも多くなっていますかね。
やはり、若いときに、ある程度の責任の中で、自分で考えて結果を出すプロセスを段階的に経験していくことがとても大切。そのプロセスのサポート役としてトップやリーダーがどうやって関われるかも重要だということです。
全部自分でやりたい人
責任感の勘違い、自己防衛本能が働いて若い人に仕事を任せられない人
相手に考えさせるような環境と機会を与えない人・・・などなど
そんな人のまわりでは人はなかなか人が育たない。
そして、決断できない人、ゴールをイメージできない人に共通している特徴として感じることは、
『インプットしていないからアウトプットできない』
ということですね。責任のある決断を上手にできている人は、決断に至る上で必要な情報を自らアンテナを張って常に集めています。つまり・・・
『決断するための準備を日々行っている』
こうなったらこうだし、そうなったらこうしてみようなど・・・頭の中でシミュレーションを繰り返しているはずです。
それとは逆で、決断が上手にできない人は、この準備が果てしなく不足している。習慣化されていない。どんなに優秀な人でも、何も情報がない中で正しい決断なんてできませんよね。
会議とかで、いきなりテーマを振られて、『え~と あ~と・・・』となってうろたえている人に遭遇することもありますが、日々の準備と想定力が不足しているなと感じてしまいます。
おそらく、この会議ではこのテーマになってこういう質問や意見や指摘事項がでるだろうから、そこでこの資料を用意しておいて・・・こう説得して・・・そのような想定をしないで挑んでいる証拠ですよね。
『あなたは、ただそこにいるだけの準備しかしていない』
と言われても仕方がない状態で、そこにいる人。なかなか活性化しない組織の会議や打ち合わせの実態はこうなっているパターンが多いですかね。でも、その異変や違和感に誰も気づいていない。だってそれが皆の感覚として当たり前になっているからです。
でもそれって、そういう状態であることをOKとしてきてしまったトップや幹部やリーダーの育成環境にも問題がある。
①自分なりの意見やアイデアを持ってその場に臨ませる
②それをちゃんと皆で真剣に聞いたり、尊重できる風土をつくる
そういう環境づくりを怠っている中で、若手がぜんぜん意見を言わない・・・と嘆く人たちがいますが、「だって、そうなるように自分達がしてきたんじゃないの??」と思ってしまう時もあります。
話は少し脱線しましたが、決断できない人の話に戻すと、より正しく伝えるのであれば、決断できないというよりも”決断することから逃げている”という表現のほうがが当たっているかもしれません。そのような人の思考回路は、”誰かが決めてくれるから”・・・という他人依存傾向がとても強い。
トップや幹部やリーダーの立場の人の中で自分が責任をとるから!!という覚悟がこちらやまわりに伝わってこない人に人はついていかないでしょう。信頼も尊敬もされないでしょう。
『その覚悟を持つこと!!』
その人の行動や言動を注意深く観察していれば、それはわかってきますよね。覚悟を持った人間は、常なる正しい判断を目指して日々勉強していますし、準備を怠ることはしないでしょう。
『日々の自分の時間の使い方は、いつかの日のための準備である』
そんな思考で時間を過ごしている人は、いざというときに適格な判断や決断ができるようになっていく。そんなふうに思いますね。
こんなことも含めて、期待はずれではなく、期待以上の貢献ができるリーダーを育てることが組織の活性化の本質的で効果的なテーマだと強く思っている自分がいますので・・・
新年度に向けて幼稚園や保育園の現場リーダークラス向けの勉強会【バリューアップクラブ『リーダーズアカデミー』】の企画準備をしています。
ほぼ、開催日程等も固まりつつあるので近日中に概要&詳細案内をこのブログでも告知させていただきます。(年間4回の定例会&プラスαのサポート機能付きにする予定)
どんな組織にも、主体的に正しい判断ができて、チームを更なる高みに導いていけるようなリーダーが必要とされています。そこに向かって一緒に学び合い、成長していけるようなトップ&リーダー向けのアカデミーを作っていきたいと思います。
お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。
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