徹底しています!!というレベルは人によって大きく違う?? ~着眼点を体系化する~
- 2022.10.24
- MESSAGECONSULTINGPERSONAL COACHING
着眼点 因数分解 チャンクダウン 徹底度を高める 挨拶を徹底する
10月も最終週・・・ということは、今年も残り2ヵ月となってしまいました。
そんな週末の我が家は、小学2年生の娘のお友だちが来て、ハロウィンパーティーが開催されました。自分が子どもの頃にはなかったカルチャーですが、皆で仮装しながら美味しいご飯やおやつも食べて楽しそうな時間を過ごしていたので、これはこれで良い時間の過ごし方だな~と思いましたね。
今日は『徹底』という言葉について、コンサルティング現場で感じていることについて書こうかなと。
例えば、先日訪問した保育園の具体的な強化テーマににあがったものは・・・
『挨拶』
それまでも『挨拶を徹底しよう!!』ということで強化してきたので、その他まわりの施設や園と比較したら長所や強みと言えるレベルには進化している。
しかし、この”徹底”という言葉は都合がよい言葉でして・・・
実際には何が起こってるかというと・・・
それぞれが徹底はしてるのだが、一人ひとりの挨拶のレベルには必ず差が生じてしまうという事実(私なりの徹底にしかすぎない)
この原因を簡単に言ってしまえば・・・
『人それぞれの徹底レベルは異なるから』
私なりの徹底は皆さんしていると思うのですが、第三者から見るとチームとしてのレベルはどうしても差を感じてしまう。これは、組織やチームの”あるある”ですよね。
品質管理のレベル、つまりチェック機能がいまいちなチームの特徴は、
Aリーダー:「Bさん、挨拶は徹底してできていますか?」
Bさん:「はい、いつもしっかり徹底しています」
そんな会話で互いに心地よく会話が終わってしまうケースが多い。
でも、実際にBさんはAリーダーが求めている挨拶の徹底レベルにはぜんぜん至っていない・・・現実をチェックせず、報告の言葉だけを鵜呑みにしすぎているケースですね。
だから、私がお伝えしたことは『挨拶の因数分解』
質問:挨拶のレベル差を構成している要素は何でしょうか?(具体的な行動項目で抽出してください)
上記をグループディスカッションで話し合って棚卸ししてもらいました。ちなみにどんな項目がでてきたかというと・・・
・声の大きさやトーン
・アイコンタクト(目を合わせているか)
・表情(笑顔)
・体の向きや姿勢
・プラス一言をつける
・語尾を伸ばさない
・仕事の手を止める などなど
上記は、自分では”着眼点”ともお伝えしています。
着眼点とは、人の行動で差がついているポイントや行動項目になります。挨拶で言えば、上記のような着眼点を1つずつ確実に実行できていれば、いわゆる”徹底”ができている状態と言えるでしょう。
そのような解釈とチェックを全体で繰り返していけば、各人の徹底レベルの差異が縮小していくはずですよね。だから、今頃、この園の幹部&リーダーの人達は、上記の着眼点をベースにしたあいさつのチェックシートを作ってくれていると思います。
一般的に、指導力が高い人ほど、この着眼点を明確に見抜いています。
つまり、自分の中で品質チェックの着眼点が体系化されているということ。
だから、「徹底しなさい!!」という都合の良い言葉に逃げず、どういうことが差を生んでいて、Bさんができていること、できていないことを具体的にわかりやすく説得することができて、そして次の具体的な伸びしろを提示したり、アドバイスしてあげることができるわけです。
このようなことを、コーチングやカウンセリングの世界では・・・
『チャンクダウン』と言います。
チャンクとは塊(かたまり)という意味で、塊をほぐしていくことによってその課題に対する具体的な取り組みが見えてくるという効果があります。これは、自分自身もコンサルティングの現場では当たり前に日々活用しています。
このような視点のポイントは・・・
『困ったときはとりあえず細分化と分解をしてみる』
例えば、コンサルタントとして求められることの1つに売上や業績アップというテーマがあります。
売上も構成要素に分解することで、売上アップに対する打ち手がわかりやすくなるわけです。この内容については以前このブログで書いているので以下をクリックしてご覧ください。
何かに悩んでいる人達も、その悩みがごちゃごちゃと塊になっているから先行きが見えなくなっているだけで、それをチャンクダウンしてあげて1つ1つ整理してあげると、それらの悩みを良い方向に進める道筋が少し見えてくるわけですよね。
まわりの人たちが混乱して問題がチャンクして焦っているときに、独り冷静にそのチャンクをほぐして、適格に解決策を指示できる人をいわゆる、”優秀な人”と言うのでしょう。
もちろん、それを自分でできる人と、自分でするのが大変苦手な人が存在するのも事実です。そして、そのようなスキルをトレーニングをして身に付けていくことも問題解決能力を高めるためには重要でしょうね。
「徹底する」という言葉は聞こえがよいのですが、実際には上記のような現象も招く言葉であることを、これまでの経験則で学んできましたので、今日はそのお話しをさせてもらいました。
時と場合によっては、チャンクダウンの逆にチャンクアップのスキルを活用することも必要になります。
「情報や今自分のまわりに起こっていることを、どうやって整理整頓するか?」
大変な状況のときほど、まずはそこから冷静に進めていくことが重要なファクターということでしょう。
徹底という言葉には、ちょっとした危険因子が潜んでいるので、現場で起こっている実例を踏まえて自分なり見解などをお伝えしてみました。
お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。