デザイナーとアーティストの違い?? ~マイスタンスを大切にする~
- 2022.01.25
- MESSAGEDESIGN&CREATIVE
デザイナー アーティスト 芸術家 マーケットイン プロダクトアウト マイスタンス ライフキープ
コロナの感染数がかなりのレベルになっていますね。今回は以前に比べて、仕事先やプライベートなども含めて自分の身近な人達にも感染者が増えている印象。先週くらいから急にその報告が増えている感じでしょうか。当然仕事にも少し支障が出始めました。
我が家の基本スタンスとしては・・・
『誰かにせいにするのではなく自己責任と自己管理を大切に!!』
こういうときだからこそ、自分自身のカラダの免疫力を下げずに維持できるような生活を心がけることが大切だと思っています。手洗い&うがい&消毒の徹底はもちろんですが、規則正しい生活、食事、しっかり睡眠をとる、適度な運動をすることなど、自分レベルでできることをちゃんとやるしかないですよね。
さて、今日の本題に入りますが、年末に忘年会も兼ねて弊社CLPの『デザイン・クリエイティブ事業』のパートナーでもあるお二人のデザイナーさんと会食をしていたときに・・・
『デザイナーとアーティストは違う』
というテーマでのトークになりました。もちろん言葉が違うのは言うまでもないですが、アーティストは『芸術家』とも言い換えられる。
自分なりの芸術家のイメージって、その人の独特の感性や価値観が存在していてそれを世の中にメッセージ付きでアウトプットしている人という感じ。
広い視点で言えば、音楽や絵画や美術作品や映像など幅広いアウトプットのカタチがあって、その分野でそれなりの人気や評価を得ている人達がいわゆる”アーティスト”と呼ばれている。
もちろん、それを生業として成功されている方もいるけれど、独特すぎて一般人には理解できない芸術作品なんかも存在するので、生業として成立するのはそんなに簡単ではないのかなとも思います。
デザイナーさんは、自分の身近に存在していて、事業パートナーとして一緒にチームを組みながらプロジェクトを進めることも多いですね。弊社CLPとしては、WEBデザイナーやグラフィックデザイナーとのタッグが多いのですが、〇〇デザイナーとネーミングされる職業はかなり幅が広いですよね。
例えば、ファッションデザイナー、ヘアデザイナー、インテリアデザイナー、空間デザイナーなどなど。その会食でのお二人はともにご自身のことは”アーティスト”というよりも”デザイナー”だと自負しているようで、そのポイントは、自分がどうしたいということよりもクライアントのニーズになるべくマッチしたアウトプットを提供することで満足していただくことに重きを置いているという点でした。
そして、クライアントの満足が自分自身の満足に反映されているという考え方。
私も『デザイン・クリエイティブ事業』で稼働するときは、主に全体のクリエイティブディレクターという立場で陣頭指揮をとる役割になるのですが、私自身も上記と同じスタンスに重きを置いています。だからこのお二人との仕事がやりやすいんだなとあらためて再確認。
一方、アーティスト色が強い人は、クライアントのニーズというよりも、自分が何を作りたいか、どんな表現をしたいのかに重きが置かれる傾向が強いという意見で一致しましたね。その表現方法やアウトプットに共感してくれて、わかってくれる人がいればうれしいでしょうし、そうでなくとも自分自身としてはアウトプットすることで満足感が得られる。
これはどちらがいいか悪いかという問題ではなく、その人のスタンスの違いがあるということでしょう。自分なりに整理すると・・・
『マーケットイン思考とプロダクトアウト思考の違い』
ということになりますかね。デザイナーはどちらかと言えば、マーケットイン思考ウェートが優っている、アーティストはどちらかと言えば、プロダクトアウトの思考ウェートが優っているのかなと。
マーケットインとは、相手が何を求めているかを前提に考えること。プロダクトアウトとは、自分は何ができるか、何を提供したいのかを前提に考えること。と捉えてもらえたらよいでしょうか。
でも、昔からこのブログでも何回かお伝えしてきていますが、モノゴトには『バランス理論』というのがあって、どちらかに偏り過ぎると上手くいかないと思っているので、上記に関しても同様にバランス感覚が大事かなと思っています。(以下に過去のブログ記事をリンクしておきますね)
例えば、園のWEBサイトやパンフレット等のクリエイティブディレクションを進めていく段階で、デザインのイメージや方向性をすり合わせしていくのですが、聞けばすぐにイメージをお伝えしてくれる方もいれば、なかなか鮮明なイメージをこちらに伝えきれない方もいます。その状況に応じて臨機応変にディレクションを進めていく必要があるので、待っていてもイメージが出てこないなと判断したときには、こちらから方向性を提示する必要もでてきます。
また、ご自身がこれが良いと思ってお伝えしてきたイメージが、必ずしもその人が期待しているベストやベターでないかもしれないなと良い意味で疑うこともあります。めちゃくちゃおしゃれで洗練度のハイレベルなモノを作りたいと言われても、現場実態とかなりかけ離れたものを作っても、バランスを欠いているなと判断するときがあります。
そのあたりは、タッグを組む優秀なデザイナーさんと相談しながら進めていくことで、全体のバランスを調整していき、最終的にお客様の納得、満足のいく作品にしあげていくことがディレクターの重要な役割だと思っています。そして、それとともに大事になるのは・・・
『その製作物の目的やねらいは何か?』
ということに対して、常に意識を高くもっておくことでしょうね。だから、弊社CLPの『デザイン・クリエイティブ事業』のコンセプトには、以下のようなことを掲げさせてもらいました。(弊社HPから抜粋)
【ヒトの心を動かし、行動変革につなげる】
我々が製作したデザイン・クリエイティブそのものよりも、それらに触れたヒトの心が動き、そして行動の変化につながること。 これこそ、新しいコミュニケーションの創出だと考えています。
そのためには、今そこにある価値、もしくはこれから創り出していくべき価値を多角的な視点で見極めた上で、それらの伝え方、魅せ方を最良のカタチに変えるサポート役になることを大切にしています。
【効果を最大化するためのストーリーを共有する】
WEBサイト、その他広報ツールでも、ただ作って終わり…というスタンスではなく必ず制作する上での目的を明確にします。
目的やねらいに対する効果を最大化するためのストーリーを共に打ち合わせしながら確認しお客様と共有することを大切にしています。
最近は、幼稚園や認定こども園や保育園のトータルブランディングの仕事のご依頼もありまして、その際にデザイン・クリエイティブの力はとても重要だなと思っています。園との接点や触れ合いの中で、その人達の感性や情緒や価値観を満たしていくための統一されたメッセージやコンセプトをカタチ化していくには、その力は欠かすことができませんからね。ブランディングの話についてはまた後日機会があればお伝えできればと考えています。
『デザイナーとアーティストは違う』
確かに、各人のスタンスの違いがどちらよりかで決まるのかもしれませんよね。
あと、自分の中で『ライフキープ』という概念が前提にある以上、一家の主や家庭を持っている人は、特にデザイナーというスタンスの選択肢をベースに生きていくのが基本線なのかなという感覚があります。
もちろん、芸術家やアーティストとして自分の表現したいものが、世間で評価されてそれでライフキープが成立したらそれは素晴らしい人生。でも、それはごく一部の人達の成せる技であって、大多数の人はそれではライフキープがままならないことのほうが多いのかなと・・・
ライフキープに関する記事は以下にリンクさせていただきますので、ライフキープって??と気になる方はぜひご一読下さい。
先日の会食での話題をベースに、私なりの見解を少し整理してみましたが、大切なことは自分なりのスタンスを明確に持っていろいろなことに取り組むべき。ということでしょうか。
『マイスタンスを明確にして大切にする』
そのスタンスを日々大切にしながら活動していると、そこに共感したり、近似している人との出会うチャンスが増える。そして一緒にタッグを組むことによって更にそのスタンスが増幅して、ポジティブで有意義な時間につながっていく。
今回、大切なパートナーであるお二人のデザイナーさんと貴重な時間を過ごし、語り合う中で、自分としてはそんなことを思ったのでお伝えしてみました。
お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。