中庸の徳とバランス理論 ~過ぎたるは及ばざるが如し~
自分が大事にしていることは何か?
もちろんいくつか思い当たるものがありますが、その中でも上位ランクに
入るものは・・・
『バランスを常に意識すること』
自分の中では『バランス理論』と名付けていますが、歴史的に見ると
儒教の中に『中庸の徳』というものがあり、より広義的な考え方として
教え伝えられていますよね。
そこでの中庸とは、かたよることのない「中」をもって道をなすという意味
また、論語には、
『過ぎたるは及ばざるが如し』という言葉がありますが、
その意味は
「極端に多すぎることは少なすぎることと同じくらいによくない」
そして、アリストテレスは、
『万物は中庸に還っていく』という言葉を残しているそうです。
表現方法はそれぞれ違っても、共通のポイントとしては、
モノゴトは極端になりすぎず、ちょうどよい塩梅で調整していくことが大切
ということなんでしょうね。まさにバランスが大切ということ
極端な何かが起こったとき、それを寄り戻す力が働く
これは、自然の摂理なんだと思います。
つまりそれは本質的で必要なことだから起こるのでしょう
例えば、働き方改革という風潮とともに「ライフワークバランス」
が注目されていますよね。
日々の生活時間の中における、仕事とプライベートタイムのバランス。
上手なバランスタイムを構築している人ほど、メリハリのついた生活を
していますし、そういう人のほうが、仕事上の生産性や効率も高い傾向がある
ように感じます
自分も今は平日毎日働くスタイルではないですし、子ども達が小さいうちは
なるべく、一緒にいられる時間を増やしたいと思っているので、
ここ数年は仕事とプライベートタイムをうまく調整させてもらっています
自分の20代に限定して言えば、毎日がほとんど仕事タイムで埋め尽くされて
徹夜も多く休みもほとんどないような状態のバランスでした
でも、短期的に捉えたらそれはライフワークバランスが悪いという見解に
なってしまうのでしょうが、人生トータルで考えたときに、その圧縮時間が
あったから、今のような毎日働かなくても良いスタイルを構築できていることは
確かなんですよね~
つまり、長期的視野で捉えたらライフタイムバランスはなかなかよいという
ことにもなる もちろん20代にそこまで踏ん張れたのは、自分で独立起業して
このような未来にしたいから、今は人の何倍も頑張らないとそれは実現できない
と思っていたからこそなんです
ここで取り上げられるバランスは、『視野と時間のバランス』でしょうか
短期的やスポット(点)だけで見るのではなく、長期的やスパン(幅)で
見ることでバランス調整していくこと。
うまくいってる人ほど、長期的な視点やスパンでモノゴトを捉える傾向があると
思っています。今だけ、そのときだけというスポット的感覚でモノゴトを進める
のは、トータルとしてのバランスはよろしくないんだと思います
以前弊社主催セミナー特別講師をしていただいた金融界のスペシャリストである
糸島孝俊先生に、私が世の中の流れや状況を正しく理解するためには何が大切か?
という質問をさせてもらったときの回答が・・・
『対極を知る』 という回答でした。
例えば・・・
成功例と失敗例という対極
繁盛店と衰退店という対極
量と質という対極
動と静という対極
まあ、世の中にはいろいろな対極が存在しているわけで、
そういう視点でモノゴトの幅と深さを捉えて行くことによって、
あらゆることを正確に理解したり判断したりする力がついていくのでしょう
あらゆるモノゴトの幅と深さを知りながら、自分をその領域内のどこに
ポジションニングするかを決めること。
それが、生き方やスタンスを決めるということですよね
いろいろな生き方やスタンスの対極の幅を知っていく中で、
自分の生き方やスタンスのバランス調整を日々しているのが人間の賢さなんでしょうし
その幅をたくさん知っていたほうが、更によい塩梅のバランスに調整することが
できるんだと思っています
もちろんコンサルティングの現場でも『バランス理論』は意識しています
第三者的視点を維持するのもバランスでしょうし、経営陣と現場とお客様の
三者間の意識やねらいのバランス調整をしていくことも大切だと考えています。
自分のコンサルティングコンセプトになっているものに
『成功のトライアングル』という考え方があります。
「経営とは、3つの大切な要素のバランス調整である」という考え方
視点①:ES(従業員満足)の視点
視点②:CS(顧客満足)の視点
視点③:Profit(利益・付加価値)の視点
ある世界的な経営診断プロジェクトに関わったときに、世界の成功モデル
企業の分析結果として、成功しているところほど、上記の3つのバランスが
よい状態を絶妙に維持し続けているという結果になったのです
特に、その中でも成功しているところほど、従業員満足を高めようとする意識
がカルチャーとして根付いているという分析結果にもなりました
顧客満足はとても高いけれど、その反面働いている従業員の満足度が低い。
給与がかなり高額で従業員満足は高いけれど、その反面、いつも赤字体質・・・
そんな感じでいろいろなバランスの状態の組織がありますが、
上記の成功のトライアングルのバランスが悪いとどこかでひずみやほころびがでて、
問題が発生するわけです
だから、経営者は上記のバランスを常に意識して、微調整しながら運営していく
ことが成功ポイントであるというメッセージとなりますかね。
もう1つ、バランス理論をベースにして、自分が作った概念が
『トップの視点 成功のためのバランスマトリックス』
成功しているトップの4つの視点を整理した図になります。
自分が出会ってきたトップの中で成功している人ほど、
この4つの視点や要素のレベルが全体的にハイレベルだと感じています
夢を持っているだけ、気合が入っているだけでは成功しないということ。
これも、4つの視点のバランスを重視しながら、自分磨きをしていく
必要があるということなのでしょう
別に会社の経営者でなくとも、何かを成し遂げる人って、上記の
バランスが良く整っているから成し遂げられるということでもあると・・・
このあたりの話は、私の著書『幼稚園の経営を劇的に変える方法』にも
もう少し詳しく書いてあるので、ご興味ある方は、そちらをご一読いただければ
幸いです。
このように、自分は仕事もプライベートも含めた生活のあらゆる場面で
バランスを意識することを大切にしています
何かが上手くいかないとき、体調があまりよくないとき・・・
人間そんなときもよくあると思うのですが、そんなときは自分の視野や時間
の使い方や優先順位やなんかしらの要素のバランスがあるべき状態から
崩れているからだよ。
というシグナルだと思ったらよいのではないでしょうか。
自分の仕事であるコンサルティングやコーチングなども、そのバランスを
お客様と一緒に寄り添いながら正常なレベルに戻して行ったり、
長期的な視点でのバランス調整をサポートしていく仕事なのかなとも思っています
『中庸の徳とバランス理論』
これからも、自分の中では大切にしていきたいテーマですね。
さて、今日は天皇誕生日で祭日なのに、今ブログ記事を書く時間に費やしたので
この後の時間は、家族と過ごす時間でバランスをとれたらと思っています
皆さんも日々のあらゆるバランスを少し意識して生活してみると
ちょっと見直してみようと前向きになれる何かが見つかるかもしれませんね
お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。