近道優先思考では深みがでない!! ~答えらしきものと確信の差~
今日は、新しくスタートするコンサルティングサポート先の企業に
訪問して4時間ほど研修会をしてきました
今までメインで進めてきたマーケティング戦略を見直して、
『量よりも質を重視』した販売戦略へのシフトチェンジにチャレンジします
そのメインとなる営業スタッフチームに対して、新しいマーケティング戦略の必要性
と実践イメージをもってもらうための研修プログラム。
売上や販売数の視点から、利益を注視する視点への転換を進めていくわけ
ですが、ここ2年間くらいは、社長を中心にその意識への転換が少しずつカタチ
になってきた段階であり、これから本格的に推進していくステージに入ります
もともと黒字の会社ではあるのですが、この2年間で販売数は横ばいでも
粗利額は6000万円以上アップすることに成功しています
現場の意識を少し転換しただけでも、それなりの効果がでていますので、
これからマーケティングプランを見直して具体的な取り組みを強化してしていけば
更にアップすることは十分に可能でしょう
そんな可能性を追求していくために、経営コンサルタントとして良い仕事を
していきたいと思っています。
さて、話は変わりまして・・・
先日、コンサルティング先の幼稚園の園長先生と話していたら、
現在、その園にいる若い先生たちの話題になりました。
みんな、何でもある程度できるし、コミュニケーション能力もある程度
高いし、普段の印象も良いし・・・
でも、何か物足りなさを感じるときがある(深さを感じないときがある)
そんな話だったのですが、自分もなんとなくその園長が感じていることが
わかるような気がします
いわゆる、基本的には優等生タイプで、あらゆる場面をそれなりに乗り切る
力はあるが、経験したことがないことに関してはやたらと臆病になるタイプ
つまり、言い方を変えれば、極力、自分が失敗しそうな状況を避けて自分が
なるべく追い込まれないように用心して過ごすことが優先されるタイプ
最近の若い方々の傾向として、そんな人達も多くなっているのかなと
自分も感じています。
そこでちょっと頭をよぎったのが以下のフレーズ
『無駄な過去はない。失敗がないと深みがない。
遠回りが一番の近道である。』
この言葉を語った人物は・・・
イチローですね
あるインタビューの中で、
「最近は情報量が多いので、最短距離で目標まで到達できる可能性が増えた」
というコメントに対して、イチロー選手は『無理だと思います』とハッキリ
切り捨てたそうです。
現実的にまったくミスしないで目的地に到達することはできない。
それよりも危険視すべきなのは、ミス無しで目的地にたどり着いてしまった場合である。
失敗をせずに目的を達成した人には、深みがでない。
そんな話をしたそうです。
これらのイチローが語った言葉の中にいろいろなヒントがあるのではないでしょうか
今、確かにYOUTUBEなどのインターネットメディアの情報量はとてつもなく豊富で、
そんなツールを通じて簡単に体験したことない知識もインプットできる環境がある。
そんな環境の中ではどうしても、自分の実体験や苦労や工夫というプロセスを
経なくても、目標到達への答えらしきものが情報として入手できてしまう。
だから・・・
無駄なことはなるべくしたくない
失敗もできる限り避けたい
遠回りなんて嫌だから最短距離で行ける方法を知りたい
そう思ってしまうのは無理もないかもしれませんよね~
そんな『近道優先思考??』こそ危険なんじゃない
というイチローのアンチテーゼなんだと思います。
その園長先生が感じた若い先生たちの物足りなさ、深みのなさ・・・
すべてとは言いませんが、そんなところに起因している部分もあるんじゃないかな~
と自分では思っています。
一般的に、無駄、失敗、遠回りというフレーズはネガティブな印象を
持っている人が多いかもしれませんが、無駄をしてきたからわかること、
失敗をしたからわかること、遠回りしたからわかること、それによって
もたらされる人生の知見や知恵が、その人の深さにつながっていくことも
確かだと思いますね
答えらしきものが、情報として簡単に手に入る時代だからこそ
答えらしきものが、自分の中でわからないことに対してフリーズしてしまう
人が増えているのかなとも思います
無駄になってしまうかも、失敗してしまうかも、遠回りしちゃうかも・・・
そういう状況をできるだけ避けようとする。
でも、そこで入手できる”答えらしきもの”は自分の経験の中でつかんだ確信
ではないですよね。いわゆるコピーのレベル。
だから、突っ込まれたときにその相手に自分の言葉で語ることはできない
それが深みがない人の1つの背景なのかなと思います。
『”答えらしきもの”ではなく、無駄と失敗と遠回りからつかみ取った
確信をもって生きようよ!!』
とイチローが教えてくれている気がしますね。
今日はある園長先生との会話の中で感じたことを整理してみました。