2040年幼稚園のニーズは今の半分以下になる!!
- 2017.03.27
- 園トータルサポートCONSULTING
先日、4月に教職員研修の依頼を受けている幼稚園の園長先生から
ある資料が郵送されてきました。そのタイトルは・・・
『保育ニーズの将来展望と対応の在り方』
日本総合研究所が2017年3月1日に出した論文(JRIレビュー)です
このデータと将来展望を読んで、今後どのように園運営のかじ取りを
していくべきかを相談したいとのオーダーでした。
この論文の一部を抜粋すると以下のような将来展望が・・・
★乳幼児の人口は今後数十年にわたって減少していくことが予測されており、
国の推計によれば、5歳未満人口(中位推計)は、2014年から2040年までに
34.6%減少し、減少幅は最も大きい青森県では46.4%、
最も小さい愛知県でも26.2%に達する。
★出生率は国の中位推計、保育所利用希望割合は過去10年と同様のペースで
上昇するという想定にも とづく試算結果(標準ケース)では、
保育所と幼稚園をあわせた保育ニーズは、2015年の実績385万 人がピークで、
以降低下し2040年には327万人となる。
★一方、出生率・母親の就業率ともにこれまで 以上のペースで上昇した場合
(高出生率・高就業率ケース)、一般的な通念と異なり、保育ニーズは
2020年以降420万人前後の高水準で推移する。
少子化対策、女性の活躍推進が結実すれば、保育ニー ズは現在よりむしろ
増加する可能性すらある。
ただし、保育所と幼稚園では様相が異なり、幼稚園ニーズの減少が著しい。
例えば、全国ベースの 標準ケースでは、保育所ニーズは2015年実績の233万人から、
2020年には254万人になり、以降2040年ま でほぼ横ばいで推移する。
★他方、幼稚園ニーズは女性の就業率上昇が需要減要因となり、
2015年の実績151万人から、2040年には64万人と半分以下になる。
まあ、こんな将来展望が書かれているわけです。
JRIレビューのより詳細を読みたい方は以下をクリックしてご確認下さい。
⇒『保育ニーズの将来展望と対応の在り方』
少子化を具体的な数値データで明らかにされるとすごくリアルですよね
あと20年で、30~40%の乳幼児が減少していくわけです
首都圏では待機児童問題がクローズアップされていますが、全国統計で
見ていくと、幼稚園、保育園、認定こども園などを合算した保育ニーズは
すでにピークを過ぎて下降線に突入しているという事実・・・
保育所ニーズは横ばいもしくは今後増えていく予想の中で、その逆に
幼稚園ニーズは、今後20年で半分以下になるという予想・・・
あくまでも推計ですが、保育ニーズの試算結果によると、
2040年に青森県と沖縄県では幼稚園ニーズが0になるという厳しさ・・・
いや~数字で示されると恐ろしい未来が待っていますね
2015年の文部科学省の学校基本調査によると、
全国の都道府県のすべてで、幼稚園の定員充足率は100%には達していません
最低は、福井県の35%、最高でも東京都と神奈川県の84%、全国平均は68%
つまり、幼稚園の需要と供給のバランスは、全国のすべての県で供給過多という現実
この実情と、今後の推測データを見て思うことは・・・
『本当の競争が始まろうとしている』 ということ。
この状況の中で、トップの経営手腕が問われる時代になっていくことでしょう。
特に幼稚園ニーズが平均よりも低く、乳幼児の減少率が著しいエリアにある幼稚園は、
今の運営スタイルを継続していくこと=閉園という公式が成立してしまうわけです。
この状況に置かれている今、どれだけの危機感を感じているか・・・
そして、先手先手で打ち手を考えているか・・・
本当に困ってからでは、もう手遅れという状況が待っているかもしれませんよね
もちろん、その園長先生には、時流にマッチした運営スタイルへの転換を
アドバイスさせていただきました。即座に手を打つ決断をされていましたね~
『未来を予見する力 + 適格な運営判断とスピード』
こんな時代において、トップに求められる、そして差がつく大きなポイントです
その園長先生は常にアンテナを張っている方なので、すぐにこのレポートの
存在に気づいて、未来の姿を予見して、今からの適格な打ち手を考えられる方。
そんなトップがいらっしゃる一方で・・・
未来を予見することもせず、今大丈夫だから、未来も大丈夫だろう・・・
という相当甘い見解をしている方がいらっしゃるのも事実
私の感覚では、そういう方のほうが多いと思いますね
今日は、特に幼稚園業界にとっては、けっこうネガティブな未来予想について
お知らせしてみました。予想とデータだけ見ていると、
まさに”暗雲立ち込める”感じかもしれませんが・・・
でも、これはあくまでも予想でしかないので、この予想を踏まえて
運営のかじ取りを時流適応&適正進化させていくことが大切ですよね~
今日のコンサルティング先でも、こちらのデータをベースに園長先生と
意見交換をさせてもらいましたが、未来へのキーワードは私が以前から
提唱して著書でも書いている・・・
①幼稚園から家族園への進化
②幼稚園から地域の教育総合コミュニティー施設への進化
現実的なことから言えば、シングルエイジ(0歳~9歳)までの保育&教育展開と
具体的なプログラムの開発が重要になります。
そして、それを実現するための最重要ポイントが、”人財育成”ですね
特に、各部門のマネジメントを担えるリーダークラスの人財育成が決めてとなるでしょう。
基本的に、CLPが現在、コンサルティングさせていただいている園では、
各園それぞれのステージやレベルは違うにせよ、
上記を実現していくためのトータルプロデュースをさせてもらっているということ
になります。それを実現していくためには、いろいろと乗り越えるべき課題が
ありますので、段階的に1つひとつクリアしながら個と組織の成長を
サポートしていくことが重要だと思っています。
そうしないと、生き残れないとわかっているからです
『既存の延長線上に未来はなく、自ら未来を創造することが大切』
先手を打つとは、自ら未来を創造していくという意味でもあります。
既存の延長線上とは、今のまま何も変わることなくという意味でもあります。
特に幼稚園ニーズが20年で半分以下になるという予想を受けて、
このままで大丈夫だと思う人はいないでしょう。
でも、そこから先手を打って、適格に判断と実行ができるトップは
何%存在するのだろうか??
先日そんなことも、その園長先生と話しましたね。
う~ん10%もいないかもしれませんね~
CLPとしても、その割合が増えるように、未来づくりのお手伝いを
していけたら幸いです。
未来づくりのパートナーとしてご興味ある方はぜひお問い合わせ下さい。
(基本的に初回相談費用は無料で対応させていただきます)
【問合せ先】
株式会社クロスライフパートナーズ
TEL:03-5738-6539
E‐mail:info@crosslifepartners.com