人と言葉が老舗とブランドを創り上げている!!
- 2015.10.08
- MESSAGE
『とらやの羊羹』 というフレーズから想起されるフレーズは、
老舗、ブランド、高級、お土産・・・そんな方々が多いのではないでしょうか。
ホームページを見て驚く人も多いと思いますが、虎屋の歴史というページの冒頭には、
『室町時代後期 京都で創業する』
と書かれています。それを見せられただけでも、老舗という言葉がしっくりきますよね~
そんな『とらや』の本店は赤坂にあるのですが、本社ビルの建て替えのために
昨日10月7日に閉店となりました。というニュースをネットで見つけました。
その記事には、17代目の黒川光博社長の挨拶文が多くの人に称賛されている!!
と書かれていたので早速ホームページをチェックしてみたのですが・・・
そちらの文章はこちらをクリックしてご覧下さい
⇒「黒川光博社長の本店休業挨拶文」
確かに心の温まる、素敵な文章ですよね
同じような状況でも、発信する文章や言葉は、社長や組織によってだいぶ違うだろうな~
そんなことも思いますね。
そして更に考えされられたことは、このような称賛されるメッセージを
トップや組織が発信できる文化や風土があることが
”とらや”という老舗を支えてきた大切な因子であり、
ブランドを構築してきた大切な因子なのだろうと思うわけです。
それは当然、1日で作られたわけではなく、
長い歴史の中で育まれてきたものなのでしょう。
そして、人から人へとしっかり伝承されてきたとっても大切な因子なのでしょう。
なんでこんなに”とらや”に思い入れがあるかというと、実は私がまだ20代前半の未熟な頃、
経営コンサルタントとしての知識や知見やスキルを身につけるために、
いろいろな勉強をしていた頃・・・研究対象にさせてもらったことがあるからなんですよね。
だから今でも講演会などで、年配の方が対象だったりすると、
”とらや”の事例などを活用させていただくこともあります。
ちなみに若い方が対象だったりすると、ディズニーランドの事例を活用することが多いですね
当時、御殿場にある超先進的な工場を見学させてもらい、工場長にもインタビュー
させてもらったことを思い出します。
その時の工場長の名前は納屋工場長・・・鮮明に覚えています。
素敵な方で未熟な私にいろいろと老舗たる由縁を教えてくれました。
”とらや”の経営理念は、びっくりするほどシンプルでわかりやすいのは知ってましたか??
それは、こんなフレーズになります。
「おいしい和菓子を喜んで召し上がって頂く」
意外だと思った方が多いのではないでしょうか。老舗だからなんかもっと難しいのかなと・・・
実にシンプルで、ある意味本質的だと思います。
そして、当然、理念をどうやって現場でカタチにしているか?そんなテーマを取材しないと
先輩コンサルタントに怒られるので、そんな質問をさせてもらったときに、返ってきた言葉は、
①顧客満足 ②品質第一 ③人材育成
納屋工場長が私の質問の後に間髪いれず、
我々の理念を実現させるために私がここで大切にしていることはこの3つです!!
と説明してくれたその迷いのない言葉の発信にすごく驚いたことを覚えています。
揺るぎのない信念を感じましたし、ある種のオーラみたいなものも感じましたね
(これって優秀なリーダーの特徴です)
それから、時は経ち、様々なコンサルティング現場で、その組織の理念を実現するために
あなたが大切にしていることは何ですか?と幹部やリーダーに質問をしてきたのですが
納屋工場長ほど見事によどみなく答えが返ってきたことはまずなかったですね。
そして、取材を進めていくにつれて、もっともっと奥深い老舗たる由縁を発見する
ことになるのですが、それはここに書いていると大変なので割愛しますね
まあ、途中の話をまったく省いて言葉だけで抽出すると・・・
工場でできる顧客満足⇒クレームゼロ⇒DNA鑑定機
まあこれではなんのことかさっぱりわからないと思いますが・・・
『成功するチームは究極のレベルまで徹底的に取り組む』
(こだわりのレベルが圧倒的)
という共通因子を自分なりに見出した事例となっています。そして、
『その究極のレベルを実現維持するためには、
現場に優秀な人財(リーダー)が必ず存在する』
という共通因子の私の中の最初のモデルが納屋工場長だと思っています。
こんな素晴らしいリーダーが現場にいるから、
老舗としてのブランドが構築されているんだな~と思わされた取材でした。
そして、こんなリーダーのもとで働いている社員はやりがいも感じているだろうな
と思わされた取材でした。
もちろん、赤坂の本社ビルにもご訪問させていただき、当時の幹部クラスの
方の講義を受けさせてもらったことを思い出します。
そこで、たくさんのことを学び、メモをたくさんさせてもらったのですが、
一番印象に残った言葉は、今でも自分の心と頭の中でとても大切にしている言葉です。
『志なきもの目的なし、目的なきもの目標なし、
目標なきもの計画なし、計画なきもの成果なし』
そんな昔に学んだ大切なことを、今回の記事を通じてあらためて
思い起させてもらいました。感謝ですね~
そんな素敵で意味深い言葉を発信できる幹部がいるからこそ、素敵な現場の
リーダーが育ち、そしてそのリーダーが現場のスタッフを育て・・・
その結果として、お客様が『おいしい和菓子を喜んで食べているシーン』
が至るところで具現化されているんだろうな~と思います。
『人は人によって人になる』(BY カント)
まさに、人々の良い連鎖(育ち合い)の歴史が老舗とブランドを作ってきたのだと思います。
それを維持するための大きなポイントになっているのが、
”その人達が、どんな言葉やメッセージを発信し続けてきたか”ということだと思うのです。
だから、自分が発信する言葉やメッセージを大切にしたり、
常に相手にとってプラスやパワーや前進につながるような言葉やメッセージを
自分の中に蓄積することで、その人の人生は豊かになると思いますね~
それをあらためて整理した段階で思うのは、
悪気はないのだろうけど、言葉の使い方や伝え方に注意を払っていないことで
だいぶ損をしていたり、相手に不快な思いをさせている人が多いということですね
今日は、とらやの赤坂本店閉店のニュースから、
自分がかつて学んだ大切なことを掘り返してみました
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